人間の内面と「自己と他者」の曖昧さを描く
今回は現代アーティストとして活動されている「濵田功平」さんにお話しを伺いました。
インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします!自己紹介と、現在どのような作品(活動)を中心に制作されているか教えてください。
濵田功平:画家の濵田功平です。普段は教育に携わりながら絵画制作を行っています。
作品では、人間の内面や多面性、そして「自己と他者の境界」の曖昧さをテーマにしています。仏像や土偶、お面などの宗教的・文化的なモチーフを描くことが多いのですが、それらは人の手で作られながらも、人ではない存在として精神性を宿している点に強く惹かれるからです。
例えば、お面は「自分でありながら自分ではない存在」ですよね。そうした自己と他者の境界は明確に分けられるものではなく、連続的に揺れ動いているものだと感じています。人は神にも仏にも鬼にもなり得る存在であり、その曖昧さや多面性にこそ、人間らしさや美しさがあるのではないかと考えています。
描く時は完成形をイメージしますが、思い通りにはいきません。しかし、その過程で生まれる不完全さや変化を受け入れながら、自分らしい表現を探しています。受け取り方はみなさんの自由です。私自身が「なんかいいな」と思えるものを描き、その中にそれぞれの見方や感じ方が映り込んでくれれば嬉しいです。

人の手に宿る不完全さと、神聖さに魅せられて
インタビュアー:明確なテーマに基づいて制作されているのですね!では、アート・ものづくりの道を志した「原点」や、現在の活動を始めた「きっかけ」は何ですか?
濵田功平:子どもの頃から絵を描くことは好きでしたが、学生時代はスポーツに打ち込んでいたため、じっくり制作に向き合い始めたのは大学生になってからです。
制作を続ける中で、博物館や寺院で目にする仏像やお面、土偶に強く惹かれるようになりました。それらは人間が作ったものでありながら人間そのものではなく、完璧ではない生々しさの中に神聖さや精神性を感じたのです。
私は「描かなければならない」という強い使命感で制作しているわけではありません。正直、自分の作品がこの世界になくても誰も困らないと思っています(笑)。それでも、心がほっとしたり「こういうものがあってほしいな」と思える存在があることで、世界は少し豊かになるはず。だからこそ、その豊かさを自分なりの表現で描き続けたいと思っています。
思い通りにいかない過程と「完璧じゃない線」を愛せるか
インタビュアー:「完璧ではない生々しさ」とても共感できます!次に、作品を制作する上で、最も大切にしている「こだわり」や「コンセプト」を教えてください。
濵田功平:一応の完成形を描いて描き始めますが、実際には思い通りになりません。ただ、過程で形や表現が変化していくこと自体が、絵を描く一番の楽しさでもあります。
よく登場する「お面」というモチーフは、身につけることで他者からの見え方は変わりますが、身体は自分自身のままです。そうした「自分と他者」の境界線ははっきりと分かれず、グラデーションのように揺れ動いていると考えています。
また、私は自分自身が「いいな」と思えたものだけを完成としており、「こう感じてほしい」という正解を用意していません。解釈は一人ひとり違っていいのです。完璧に描けない不完全さも含めて作品の大切な一部であり、だからこそ生まれる線や形に自分らしい表現が宿ると感じています。

「整っている=美しい」ではない。日常から魅力を発見する眼差し
インタビュアー:とても自然体なスタイルですね!続いて、日々の制作のアイデアやインスピレーションは、どのようなところから湧いてきますか?
濵田功平:美術館や博物館、お寺にはよく足を運んでいます。モチーフを見るときは細部よりも全体の雰囲気を感じ取るのですが、一つひとつを観察すると歪みや不完全な部分が見えてきます。それでも全体で見ると本当に美しい。
私は「綺麗なものが美しい」とは限らないと思っています。美しいものの中に含まれる歪さや不完全さこそが、人の心を惹きつけるのではないでしょうか。制作時はモチーフをじっくり観察し、「どこに魅力を感じるか、どこを切り取るか」を考えています。
また、教育に携わる中で「どんな作品にも魅力がある」と実感するようになりました。もし魅力が見つからないとしたら、それは作品のせいではなく、自分の見方が足りないだけ。日常の中で「ここが好きだな」と思えるポイントを見つけた瞬間、自然と「描いてみたい」という気持ちが湧いてきます。

初めて作品が届いた喜び。自分の心の響きを一番に
インタビュアー:懐の深さを感じる考え方ですね!では、これまでの活動の中で、特に印象に残っている出来事や、ターニングポイントとなった作品(出来事)はありますか?
濵田功平:最も印象に残っているのは、初めて自分の作品を購入していただいた瞬間です。
作品を気に入ってくださる方がいること、自分の表現が誰かに届いたことが心から嬉しく、「もっと描きたい、多くの方に見てもらいたい」と強く思いました。同時に、「自分が本当に良いと思える作品を描こう」と深く意識するようになったきっかけでもあります。
「この1点だけが特別」という作品はなく、どの作品にもその時の自分の考えや感情が込められているので、すべてが大切です。作品がなくても世の中は回っていきますが、なんだかほっとするものがあることで世界は少し優しくなる。だからこそ、まずは自分自身が「なんかいいな」と思える作品を描く気持ちを大切にしています。
変化を愉しみながら、日常のすべての営みをアートに
インタビュアー:とても大切なことですね!次に、作家として、今後挑戦してみたいことや、これからの展望(夢)を教えてください。
濵田功平:今後は発表の場を広げ、より多くの方に作品を見ていただきたいです。10年後も変わらず描き続けていられたら嬉しいですし、様々な作家さんの表現に触れながら自分自身を深めていきたいですね。
また、私にとってアートは絵画だけに留まりません。教育の場を作ること、人とのコミュニケーション、相手を想って選ぶ言葉の一つひとつも表現であり、アートだと考えています。
描き続けたい一番の理由は「思い通りにいかないことを楽しめるから」です。途中で思いがけない表現に出会えることこそが絵画の魅力なので、これからもその変化を楽しみながら向き合っていきます。

作品に映し出される、あなた自身の心と出会うために
インタビュアー:これからが楽しみですね!最後に、この記事を読んでいるファンの方や、これから濵田さんの作品に出会う方へメッセージをお願いします。
濵田功平:ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
私の作品は鑑賞の「答え」を用意していません。自由に見て、自由に感じていただけたら幸いです。自分が「良いな」と思えたものを描いていますが、同じ作品でも見る人によって受け取り方は全く異なります。その違いも含めて、作品は完成するのだと思っています。
もしかすると、作品を見ているようであなた自身を見つめているのかもしれません。何が誰の心に響くかは分からないけれど、私はこれからも自分自身の心に深く響くものを描き続けていきます。
私の作品は、あなたにはどのように響いたでしょうか。
【お名前(活動名)】
濵田功平
【肩書き・ジャンル】
現代アート
【SNS・WEBサイトのURL】
https://www.instagram.com/hama_da44?igsh=eXBhd3h1dXc2cGFj
【FROM ARTISTアーティストページ】
https://app.from-artist.com/artist/16ae3ff6-cd2f-40cd-b0e9-f42740e1e9c0