「味」しかないから、心が動く。介護福祉士アーティストが描く「答えを決めない」物語【すむすむインタビュー】 - FROM ARTIST

「味」しかないから、心が動く。介護福祉士アーティストが描く「答えを決めない」物語【すむすむインタビュー】

介護福祉士とアーティスト。2つの視点で紡ぐ「ほっこり、ちょっぴり、くすっ。」

今回は介護福祉士、パステルアーティスト、イラストレーター、ソングライターと、多様な活動をされている「すむすむ」さんにお話しを伺いました。

インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします!自己紹介と、現在どのような作品(活動)を中心に制作されているか教えてください。

すむすむ:初めまして、すむすむです。普段は介護福祉士として訪問介護や病院で働きながら、イラストやデザインの制作を行っています。

作品づくりではパステルアートを中心に、アクリル、水彩、切り絵など、表現方法にこだわらず「描いてみたい」と思ったものに挑戦しています。また、僕が作詞をしてAIと共作するオリジナル楽曲の制作・配信も行っており、絵と音楽が互いに影響を与え合うような連動した表現を楽しんでいます。

現在は、来年夏に予定している個展に向けた制作のほか、パステルアートのワークショップや、言葉によるコミュニケーションが難しい方を支える「声とことばマーク」の制作にも携わっています。

作品のテーマは「ほっこり、ちょっぴり、くすっ。」。日常の何気ない風景や出来事にある小さな幸せや懐かしさを描き、見てくださる方それぞれの思い出や物語に寄り添える作品を目指しています。

原点は「ノリ」と「一目惚れ」? 人生の転機となった突然の初個展

インタビュアー:たくさんの顔をお持ちなのですね!では、アート・ものづくりの道を志した「原点」や、現在の活動を始めた「きっかけ」は何ですか?

すむすむ:子どもの頃から絵を描くのは好きでしたが、絵が上手な兄がいたこともあり「自分は特別上手い」と思ったことはありませんでした。ただ、学生時代のノートが落書きだらけだったように、絵は昔から自然と生活の一部でしたね。

本格的な活動を始めたきっかけは……正直に言うと「ノリ」です(笑)。

ある時、知人からリフォームの完成予想パースを頼まれ、YouTubeで学びながら必死に描いて渡したところ、「上手さより手描きの温かみがいい」とすごく喜んでもらえたんです。その知人に「絵を描いてみたら? もしかしたら、もしかするかもよ」と背中を押され、勢いで動いていたら、なんといきなり1か月間の個展が決まってしまいました。

絵のストックもない状態からのスタートでしたが、「やるしかない!」と腹を括りました。専門的に学ばれた作家さんから見れば「そんな始まり方でいいの?」と思われるかもしれませんが(笑)、僕はそんな素敵なご縁と勢いを大切に、自分らしく楽しんでいます。

「未完成さ」を残す理由。押し付けないからこそ広がる自分だけの物語

インタビュアー:たしかに個性的なスタートですね!素敵だと思います。次に、作品を制作する上で、最も大切にしている「こだわり」や「コンセプト」を教えてください。

すむすむ:一番大切にしているのは「答えを決めないこと」です。

同じ絵でも見る人によって感じ方は違います。だからこそ「この絵の意味はこうです」と押し付けるのではなく、少しだけ余白や不完全さを残すようにしています。「あれ? これで完成なのかな?」と感じるくらいの余白があるからこそ、見る人の想像力が入り込めるのだと思っています。

介護福祉士の仕事でも「一人ひとりに寄り添うこと」を大切にしていますが、アートも同じです。上手な技術や芸術性を持つ素晴らしい作家さんは他にたくさんいらっしゃいますので、そういう部分は皆さんにお任せして、僕は「味」で楽しんでいただけたら嬉しいです。

「なんかいいよね」「味があるね」と感じてもらえること……というか、僕の作品は「味」しかないのかもしれません(笑)。

アイデアの源泉は日常生活。菌すらもアートになる自由な発想

インタビュアー:「答えを決めない」。素敵ですね!では、日々の制作のアイデアやインスピレーションは、どのようなところから湧いてきますか?

すむすむ:僕は「描こう!」と意気込むと描けないタイプで、「描かなきゃ」と思って机に向かっても途中で飽きてしまうんです(笑)。

逆に、日常の中でふと「これ描いてみたい!」「面白そう」と思った瞬間にアイデアが浮かびます。特別な景色ではなく、何気ない会話や季節の移り変わり、仕事中に感じたことなどすべてが作品の種になります。介護の仕事をしているからこそ、時にはノロウイルスや黄色ブドウ球菌がモチーフになることもありますよ(笑)。

作家気取りで恥ずかしいのですが、「アイデアが降ってくる」感覚に近いです。「描かなきゃいけない作品」ではなく「心が動いて描きたくなった作品」だからこそ、素直な気持ちが絵に表れるのだと思っています。

108点の作品が繋いだ心。「誰かの力になれた」と実感した忘れられない言葉

インタビュアー:「菌」がモチーフのアートは斬新ですね(笑)続いて、これまでの活動の中で、特に印象に残っている「ターニングポイント」を教えてください。

すむすむ:やはり、初めて開催した個展ですね。

個展に向けて「自分らしい表現」を探す中で出会ったのがパステルでした。YouTubeを見て「これならいけそう!」と直感し、せっかくならとインストラクターの資格も取得しました。当日はパステルだけでなく、水彩、切り絵なども含めて108点の作品を展示しました。

ごちゃごちゃ感のある展示でしたが、それがかえって「楽しかった」「癒やされた」と好評をいただきました。中でも忘れられないのは、手術を控えたお客様からの言葉です。

「不安だったけれど、作品を見て少し気持ちが元気になりました。手術が終わったらまた見に来ます」

病院で働く自分にとって、その言葉は今でも大きな支えです。自分の絵に特別な力があるとは思っていませんが、誰かの心にほんの少し寄り添うことができる。そう実感できたことが、僕の作家人生の大きなターニングポイントになりました。

「なぜ描き続けるのか?」答えはシンプルに「まだ楽しめているから」

インタビュアー:それは素敵な経験ですね!次に、作家として、今後挑戦してみたいことやこれからの展望(夢)を教えてください。

すむすむ:今一番力を入れているのは、来年夏に予定している個展の準備です。試行錯誤の真っ最中ですが、その時間も含めて楽しんでいます。

僕が目指すのは、特別な世界ではなく「日常の延長」にある作品空間です。「そういえば、こんなことあったな」と、それぞれの思い出を振り返るきっかけになればと思っています。

「なぜ描き続けるの?」と聞かれたら、答えはとてもシンプルです。「僕が、まだ楽しめているから」

その楽しさが作品を通して伝わり、「ちょっとほっこりしたな」と感じてもらえたらそれ以上に嬉しいことはありません。これからも肩の力を抜いて、自分らしいペースで描き続けていきたいです。

「よくわかんないけど、なんかいいよね」で大成功。読者へのメッセージ

インタビュアー:個展、楽しみですね!最後に、この記事を読んでいる方や、これからすむすむさんの作品に出会う方へメッセージをお願いします。

すむすむ:ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!

何度も言いますが、僕は絵が格段に上手な作家ではありません(笑)。技術や迫力で魅せるのは素晴らしい作家さんたちにお任せして、僕は「味」と「余白」を楽しんでもらえる作品を届けていきたいと思っています。

作品を見て、「よくわかんないけど、なんかいいよね。」と思っていただけたら、僕としては大成功です!

「ほっこり、ちょっぴり、くすっ。」とする時間を届けられるよう、僕自身が一番楽しみながら描いていきます。どこかで作品を見かけた際は、ぜひ気軽な気持ちで眺めてみてくださいね。

 

 

 

【お名前(活動名)】
すむすむ
【肩書き・ジャンル】
介護福祉士/パステルアーティスト/イラストレーター/ソングライター
【SNS・WEBサイトのURL】
Webサイト
Instagram:https://www.instagram.com/sumukichi
TikTok: tiktok.com/@user2568447949398

【FROM ARTISTアーティストページ】

https://app.from-artist.com/artist/1fc8fc23-a1bd-4111-9dfa-b4b78471d81c

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