孤独を癒やすキャラクターから、人間生活の本質を描く油彩まで
今回は現代アーティストとして活動されている「サヤカ F. カルレラ」さんにお話しを伺いました。
インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします!自己紹介と、現在どのような作品(活動)を中心に制作されているか教えてください。
サヤカ F. カルレラ:はじめまして、サヤカ F. カルレラです。
アーティストとしては、大きく分けて2つの活動軸を持っています。ひとつは、私がアートの道を歩み出す原点となった「猫のあかんぽちゃん」シリーズです。そしてもうひとつは、現代の風俗や、人間が生まれながらに抱える「自分ではどうにもできない悲運」をテーマにした油彩などの表現活動です。

病室での再起と、ヨーロッパで古典芸術に触れた幼少期
インタビュアー:かわいくて個性的なキャラクターですね!続いて、アート・ものづくりの道を志した「原点」や、現在の活動を始めた「きっかけ」は何ですか?
サヤカ F. カルレラ:活動の本当のスタートは「猫のあかんぽちゃん」でした。過去に長く病気を患い、心身ともに苦しい時期を経験したことがあります。その際、病室で「これだけ時間があるのだから、子どもの頃に好きだった絵をもう一度描こう」と思い立ちました。
人物画や静物画を描く傍ら、愛猫をモチーフにしたオリジナルキャラクター「猫のあかんぽちゃん」が誕生しました。「人間一人ひとりにあかんぽちゃんが寄り添い、それぞれの孤独を癒やそうとしている」というコンセプトを掲げ、ニューヨークから私のアーティストとしての歴史が始まりました。
絵を描く原点を辿ると、幼少期の環境があります。私の両親は映画が大好きで、子どもの頃からたくさんの映画を観せてくれました。まだ平成の初期で、映画のポスターにはイラストレーターが手掛けた魅力的な人物画が溢れており、私もよく似顔絵を描いていました。
父は理系でしたが、母や祖父母は趣味や仕事で芸術に携わっており、日常にアートが溢れている環境でした。また、父の仕事でロシアやヨーロッパに連れて行ってもらう機会も多く、日常的に古典芸術に触れて育ちました。こうした原体験がすべて繋がり、病室からの再スタートを経て、現在の活動へと導いてくれました。
写真へのアプローチと「現代に古典作家がいたら」という問い
インタビュアー:とてもいい環境で感性を育まれたのですね!次に、作品を制作する上で、最も大切にしている「こだわり」や「コンセプト」を教えてください。
サヤカ F. カルレラ:「猫のあかんぽちゃん」作品では、写真の上に描く手法をとっています。徹底しているのは、あかんぽちゃんが「本当にそこに佇んでいる」ように見せることです。そのため、背景となる写真の空間や光を、本当に長い時間をかけて観察しています。
油彩作品などにおいては、「もし現代に古典のアーティストたちが生きていたら、何を制作するだろう?」というテーマを核に据えています。
古典の名作に恥じない説得力を持たせるためには、アートの基礎が不可欠です。だからこそ、デッサンなどの技術はもちろん、歴史・宗教の知識、古典文学などを日々貪欲に吸収し、作品に落とし込むことを自分自身のルールにしています。

全てのクリエイティブは繋がっている。日常を楽しみ、世界を広げる
インタビュアー:真摯な姿勢で取り組まれていらっしゃいますね!では、日々の制作のアイデアやインスピレーションは、どのようなところから湧いてきますか?
サヤカ F. カルレラ:普段の何気ない日常からインスピレーションを受けることがほとんどです。「あかんぽちゃんが過ごしていそうな風景」に出会ったときや、家族・友人との会話の中で「あかんぽちゃんがこんなことを言っていたら面白そうだね」と盛り上がった瞬間などにアイデアが生まれます。
また、ふらりと訪れた場所で絵に描きたい風景や現代の象徴的な要素を見つけたら、すぐに写真に収めたりメモを取ったりします。旅行先では現地の人々と関わってその土地の風俗に触れ、趣味で出かける際も思い切りその場を体験することを大切にしています。
音楽、本、映画、舞台、漫画、ゲーム、料理……すべてのクリエイティブは根底で繋がっていると考えています。食わず嫌いをせず、あらゆるものに触れて吸収することが、私の制作の原動力です。

フランスでの挑戦がくれた、自分のやりたいことに飛び込む勇気
インタビュアー:クリエイティブは根底で繋がっている…本当にそう思います!次に、これまでの活動の中で、特に印象に残っている出来事や、ご自身にとって「ターニングポイント」となった作品(または出来事)はありますか?
サヤカ F. カルレラ:フランスの北にある田舎町で過ごした、アーティストレジデンス(滞在型制作)での時間です。当時はアメリカを中心に「あかんぽちゃん」の発表をしていましたが、ご縁があってフランスへ渡りました。
しかし、現地の田舎では作品用の写真をプリントすることすらできず、手元にある限られた素材と環境で成果物を残さなければならない試行錯誤の毎日でした。
そこには画家だけでなく、小説家や映像作家など、国籍もジャンルも異なる多様なクリエイターが集まっていました。言葉や文化の壁を超えて語り合う中で、「もっと自分が挑戦してみたいアートに素直になっていいんだ」と勇気をもらったんです。
仲間から技術を教わりながら様々な表現に挑戦した経験が、帰国後のコロナ禍において、躊躇することなく油彩やコンセプトアートの基礎を徹底的に学び直す決意へと繋がりました。立ち止まることを恐れず、本当にやりたいことへ飛び込める自分になれた、大きな分岐点です。
「画家」という枠を超え、「自分の生き方」そのものを作品にする
インタビュアー:とても興味深い経験ですね!では、作家として、今後挑戦してみたいことや、これからの展望(夢)を教えてください。
サヤカ F. カルレラ:これまでは「画家」としての枠組みの中で発信をしてきましたが、肩書にとらわれる時代ではないと気づきました。夫のゲーム配信やコンテンツ制作を手伝う中で、クリエイティブの世界をより広い視野で眺めるようになったことがきっかけです。
これからは「画家」という枠を超え、「サヤカ F. カルレラ」という人間の生き方や趣味を含めたすべての活動を、ひとつの「作品」として発信していきたいと考えています。
自分自身を前面に出すことは決して容易ではなく、不安もあります。しかし、かつてニューヨークにいた頃にも構想していたことでもあり、いつかは辿り着く道だったと感じています。現在そのための準備を進めており、覚悟を持って新しい表現に飛び込むつもりです。

アートは、あなたの人生という歴史を彩るピース
インタビュアー:楽しみにしています!最後に、この記事を読んでいるファンの方や、これからサヤカさんの作品に出会う方へメッセージをお願いします。
サヤカ F. カルレラ:いつも応援してくださるみなさま、本当にありがとうございます。そして、はじめましての方もご覧いただき感謝いたします。
絵を描き、表現をして社会に参加することは、人類の歴史の移り変わりの中に小さなピースを残すような、とても名誉で美しい行為です。同時に、自分自身と深く向き合い続けなければならない険しい道でもあります。
私自身が何を試み、何を感じているのか。私という人間や現代という時代そのものを、人生全体を通して表現していきたいと思っています。
みなさんが自分自身の人生という物語を紡ぐとき、インテリアやファッションのように、私の作品を人生を彩る仲間のひとつとして選んでいただけたら、これ以上の幸せはありません。
私の作品に限らず、アートや誰かのクリエイティブが、あなたの歴史を誰かに伝える大切なピースになることを、一人のアーティストとして心から願っています。

【お名前(活動名)】
サヤカ F. カルレラ(Sayaka F. Carrera)
【肩書き・ジャンル】
現代アーティスト
【SNS・WEBサイトのURL】
Website https://www.sayakaartworks.com
Instagram @ sayakaartworks
X @ sayakaartworks
YouTube @ sayakaartworks
【FROM ARTISTアーティストページ】
https://app.from-artist.com/artist/3a99957b-6081-4feb-8e95-a9591bc61613