作品を綺麗に見せたい!基本的な展示方法を解説 - FROM ARTIST

作品を綺麗に見せたい!基本的な展示方法を解説

グループの展示、ギャラリーが主催の展示に参加する場合、主催の方が作品を設置してくれるところも多いので、自分で全ての作品を設置する機会や経験があまりないという人も多くいるのではないでしょうか?


今回は、展示で作品を設置する方法や設置の時に気を付けること・在ったら便利なものなどをご紹介していきます!




目次

・正確に作品を展示する方法

・展示作品の大きさを正確に測る方法

・作品同士の間隔を均等に配置するには?

・あったら便利!設置で活躍する道具



正確に作品を展示する方法


①展示スペースの広さ、間取りを把握する


作品を配置する前に、まずは間取り図などで展示場所の広さを確かめておきます。


作品を展示する数が決まっている場合は、どのくらいの間隔で配置すれば作品がすべて収まるかを計算します。

点数がまだ決まっていない場合はおおよその数で計算します。


また、窓や入り口など作品の展示ができない場所にも気を付けて確認しましょう!



②壁に糸を水平に張る


展示会場に来たら、まずはタコ糸・水糸などで目線の高さを決めます。


目線の高さはだいたい145cmくらいが平均とされていますが、小さい作品が多い、大きい作品が多いなどの条件がある場合は数センチほど基準の高さを変動するのもいいと思います!


壁に糸を張るときに、始まりと終わりで高さが変わらないように適当な感覚で高さを測りなおしながら糸を張っていきましょう。



③作品の位置に釘を打つ


作品を掛ける位置に、釘を打ちます。


設置する作品の中心の位置をはかり、作品が傾かないように位置を計算して釘を打ち付けます。


釘を打ち付ける初めは軽くトントンと金槌で打って、壁にだいぶ埋まってきたら釘を支えていた手をはなしてちょうどいい深さまで打ち付けます。


※釘を打ち付けたときの衝撃で、壁にかけていた作品が落ちてしまうことがあります!

水平の確認のために一旦作品を掛けたら、全ての釘を打ち付け終わるまで作品は床などに置いておきましょう。


④水平になっているか確認、糸を取る


作品をすべて設置出来たら、作品がすべて水平に掛かっているかを確認します。

水平をはかるための「水平器」という物差しのような形の道具があるので、それを使うと正確な高さを確かめることができます。


作品ごとの高さに違和感がある場合は、必要に応じて目分量で高さを調節します。

全部完了したら、初めに取り付けた壁の糸を外して完成です!



並べた作品を均等に配置する方法


作品をイメージ通りの場所に配置するには?


作品のサイズをしっかり測って展示の位置を計算したはずなのに、飾ってみると位置がずれる!というケースがちょくちょくあります。


原因としては、額の幅・高さを覗いたサイズで測ってしまっていることが多いです!


キャンバスを額装せずそのまま飾る場合はキャンバスサイズから位置を計算して良いですが、額装をする場合は額込みの幅・高さを測ってから配置の計算を行いましょう。


測り方


・パネルの場合


①パネルの高さを測る。(高さを半分にした位置が中心の位置、タコ糸の高さに合わせる。)

②パネルの枠の幅の長さを測り、パネルの半分の高さ-枠の幅で釘を打つ高さを出す。

③計算して出た高さに釘を打つ。高さが微妙にずれて水平にならない場合、釘を打ちなおすか少し釘をゆがませて水平になるように微調整する。


・額(ひもを張って壁にかける)の場合


①額縁裏に取り付けたひもをフックなどにかけたときに、どのくらい沈むか高さを測る。

②額の裏についているフックの高さ+ひもで沈む高さを計算して、その高さで壁に釘を打つ。



作品同士の間隔を均等に配置するには?


壁全体が3m(300cm)・幅30cmの作品3点・幅20cmの作品2点を飾る場合


①壁全体の幅(300cm)-横長の作品(30cm×3)+縦長の作品(20cm×2)=作品以外のスペース(170cm)


②作品以外のスペース(170cm)÷作品点数(5点)=壁に均等に配置する場合の間隔(34cm)


間隔を少し狭めて、展示スペースの両端だけ少し広めに幅を取ってあげるのも良いと思います!(例:作品幅を30cm、両端だけ+10cmして40cmにする)




展示で最低限必要な道具は?


展示では、壁にくぎを打ち付ける工具やタコ糸など必要なものが様々あります。

会場を借りる場合、部屋のオーナーの方が貸し出してくれる場合もありますが、自分で用意しなければならないケースもあります。


・釘・かなづち(壁に作品を取り付けるために必要)

・メジャー(作品や間隔を測るために必要)

・ひっつき虫(キャプションやポスターなどを貼り付ける際に必要)

・水平器


貸し出し用のスペースではテープなどの粘着物を壁に貼り付けてはいけない場合がほとんどなので、テープで普段貼っているポスターなどはひっつき虫と呼ばれる練り消しゴムのような素材で壁に貼り付けます。


また、作品を目分量で水平に調整することも可能ですが、水平器で正確に調整を行った方が正確にバランスを測れるので用意することを推奨します。




事前に幅や高さを測って計算して…と少し面倒に感じるかもしれませんが、しっかり計算をして作品を配置することで展示風景がきれいに見えるようになりますよ!


これから展示の予定がある方、設置を行う予定がある方は是非ご活用くださいね✨



また、FROM ARTISTでは年に数回美術館などで展示会も行っています!

スタッフが出品作品を一つずつ丁寧に配置して、圧倒的な空間に仕上げていますのでお近くの方はぜひ展示の機会にお越しください✨


2023年5月からはつくば美術館での展示会も控えています!様々なアーティストが全国から集結する、素敵な展示になりますのでぜひお越しください◎



展示会詳細はこちらから

https://www.busca-llc.com/tenjikai-tsukuba


FROM ARTIST公式サイトはこちら!

https://from-artist.com/



 執筆者:フミトリツムギ

FROM ARTIST運営スタッフ。特集記事やコラムを組んだり、アーティスト目線での運営のサポートを行っています。

普段は専門学校で講師を行いつつ、個展や公募展など作家活動に励んでいます。

 

監修者:戸井田翔馬

BUSCA合同会社CEO。FROM ARTIST事業責任者。マーケターとしてキャリアをスタートし、事業会社・広告代理店を経験し独立。カリフォルニア大学バークレー校やロンドンビジネススクールなど複数の大学院・ビジネススクールでマーケティング関連のプログラムを修了。また、マッコーリー大学でMBAコアカリキュラムを、ブリティッシュコロンビア大学で教育におけるアートの重要性も学んでいる。

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