皆さんが普段生活している色々な場所に絵画ってありますよね。
学生の頃には、美術の授業で様々な画家や絵画について学んだという人も多いのではないでしょうか?
「美術館や展示で絵画を見に行くことはあるけど、細かい年代やジャンルは知らないかも…」という方ももちろんいると思います。
今回は、絵画の始まりがいつだったのか、絵画にどういったジャンルがあるのか、それぞれのジャンルの有名画家などについて解説していきます!
目次
1.絵画の始まりは?
2.絵画のジャンル(近代絵画、現代美術、日本画、日本近代美術)
3.それぞれのジャンルの有名なアーティスト
4.まとめ
絵画の始まりは?
「絵画」というと、額縁に入ったものやパネルに描かれたものを想像しますよね。
実は絵画の定義はとても広く、「線や色を用いて物の形や輪郭、姿を表現したもの」とされています。
そして、絵画の始まりは、紀元前までさかのぼります。
もっとも古い絵画とされているのは、6万5千年以上前に洞窟に描かれた壁画であると言われています。(ネアンデルタール人が描いたものと言われているそうです…!)
ちなみに日本の絵画の始まりは、弥生時代あたりから始まったとされています。
絵画のジャンル
◎近代絵画
モダンアートとも呼ばれています!
それまでの絵画は写実的なものが多く、リアルな絵が良しとされる空気が強かったのですが、モネやセザンヌのような「(後期)印象派」と呼ばれる画家たちがそれらの価値観を覆すような作品を手掛けていました。
そういった時代の、だいたい1860~1970年ごろに制作された作品を「近代絵画」と指されることが多いようです。
◎現代美術
現代アート、コンテンポラリー・アートとも呼ばれています。
写実的にに描かれた絵画や先述の近代絵画と違う点は、「現代社会の情勢や問題に対する問いかけを作品に反映したもの・美術や芸術の作品観念や固定観念に囚われない、前衛的な作品」であることが上げられています。
ただ、現代アートの解釈・表現は年ごとにどんどん拡大している・「現代」というざっくりとした時代の指定があるため、一概に「これ!」とはなかなか定義しづらいジャンルです。
◎日本画
以前にコラムでもご紹介しました!
日本画は、現代でも様々なアーティストが技術を受け継いでいるジャンルですね。
日本画という名前で呼ばれ始めたのは明治時代と最近ですが、技術自体は奈良〜平安時代に中国や朝鮮半島から技法や様式が渡ってきたようです。
◎日本近代洋画
それまでは日本画のような独自の絵画が主流でしたが、外国との交流や文化の取入れが盛んになり始めた明治時代あたりから、日本でも洋画が描かれるようになったそうです。
写実的に描かれた西洋絵画に感銘を受けた日本の画家たちが技術を取り入れ、現代でも盛んに描かれるようになっています。
それぞれのジャンルの著名なアーティスト(敬称略)
近代絵画
クロード・モネ
「睡蓮」
モネといえば、で多くの人が思いつく作品ではないでしょうか。
実際に原画を近くで見たことがあるのですが、想像以上に大きく、迫力のある作品です…!
間近で見ると蓮の葉などを綺麗な楕円で描いているのでもなく、近くで見たときと遠き卯から見たときとでまったく印象が変わるのがすごく感動的でした。
睡蓮という名前の作品でもたくさんの絵を描かれていますが、どれも雰囲気が違っていて、当時の天気や気候が伝わってくるような色づかいが魅力的です。
フィンセント・ファン・ゴッホ
ひまわり
ひまわりの絵で多くの人に知られるゴッホ。
このひまわりの絵ですが、一点だけではなく複数点描かれている事で有名ですよね!
もともと芸術家たちと共同生活をしてコミュニティを作ろうと、招待した画家たちに送るためにたくさんのひまわりを描いていたそうです。
しかし招待に応じてやってきたのは一人だけで…という悲しい経緯があるのですが、気になった方は是非ゴッホにまつわる歴史を調べてみてください!
数十年の人生を10年に濃縮したかのような内容で、本人の歴史を知ると絵にももっと深みが増すと思います✨
エドゥアール・マネ
笛を吹く少年
「近代絵画の父」とも言われているマネの作品です。
こちらはパリにあるオルセー美術館で原画を見ることができます!(すごく大きいです!)
モネやゴッホの印象派の作品と比べると写実的で「近代絵画?」と思われる方もいるかもしれませんが、マネの描く作品の発想や遠近法を否定した作品は印象派の画家たちに大きな影響を与え賞賛された人です。
現代絵画(現代アート)
現代絵画は現在も活躍するアーティストが多く存在しており、著作権の保護期間などもありますので文章でのご紹介とさせていただきます。
草間彌生
水玉模様で描かれる作品で世界的に有名なアーティストですね!
平面の作品だけではなく直島にある黄色い南瓜や、ホテルの内装やバスのデザインに起用されたりと、媒体に問わずさまざまな場所で見かける機会が多いと思います。
水玉模様を描くようになったのは幼少期に患った統合失調症が始まりのようで、日本画などの分野を学んだ時期もあったり海外での活動を行ったりもされています。
村上隆
ポップな作風が印象的なアーティストです。
個人的には2008年度の24時間テレビのTシャツデザインが印象に残っています。
しかし、一見単純に見える人も多いポップな作風の裏には、絵画における様々な技法や発想が根幹になっており、東京藝術大学で日本画を学んだり主催で行っているアーティスト集団「カイカイキキ」や、若手アーティストを支援する芸術イベント「GEISAI」を開催したりと幅広い分野で現代のアート活動に貢献されています。
アンディ・ウォーホル
ポップアートの誕生に大きく関わったことで有名なアーティストですね。
ビビットな色でプリントされたマリリンモンローの絵などは特にご存じの方が多いのではないでしょうか?
シルクスクリーンと呼ばれる印刷方法で数々の作品を生み出し、ポップアートや商業絵画としての人気をつかみながらアート業界にさらなる分野を広げたと言えるでしょう。
日本近代絵画
浅井忠
縫物
江戸に生まれ、明治の洋画家として知られています。
日本で油絵や絵画を学んだ後、フランスや中国などの海外も行き来しながら画家としての地位を確立させていきました。
東京や京都の大学で教授・教頭として画家や後進の育成にも貢献しており、教育者としても活躍されました。
風景画の多い画家さんで、「縫物」のような人物がメインに描かれた作品は彼の作品の中でも珍しいそうです。
岸田劉生
童女図/麗子立像
大正~昭和あたりに活動された洋画家です。
薬屋を営む実業家に生まれ、弟は宝塚歌劇団の劇作家として活躍するなど、幅広い分野で活躍する一家です。
潔癖症で神経質な部分があり、癇癪持ちであったことから誰とでも良好な人間関係が築けていたというわけではないようですが、それでも生涯彼を慕う人間は多くいたそうです。
黒田清輝
朝妝
近代日本の美術を代表する洋画家です。特に明治中期ごろの洋画界での活躍は、文芸界全般にまで影響を広げるなどしました。
最初から絵画で活動をやっていたわけではなく、法律の勉学などに励んでいたようです。その後、画家へ転向した経緯があります。絵画の制作のみならず、フランス語の教鞭を取ったり美術団体を立ち上げたりと日本の美術発展にも大きく携わっています。
まとめ
絵画の中にも様々なジャンルがあり、どれも独自の法則や傾向がありますね…!
特に現代アートには年代を重ねるたびに様々な技法・表現方法や名称が生まれているので、今後の動向に目が離せないなと感じました👀
絵画の成り立ちや技法を知っているだけでも、美術館やギャラリーを巡った時の楽しみが増えると思いますので、ぜひ皆さんも調べてみてくださいね✨
また、FROM ARTISTでは洋画や現代アートなど幅ひろいジャンルのアーティストが在籍しています!
約300名のアーティストによる、様々な技法の作品を取り扱っています。
ジャンルを絞ってお気に入りの作品を探すこともできるので、是非ご活用くださいね✨
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執筆者:フミトリツムギ
FROM ARTIST運営スタッフ。特集記事やコラムを組んだり、アーティスト目線での運営のサポートを行っています。
普段は専門学校で講師を行いつつ、個展や公募展など作家活動に励んでいます。
監修者:戸井田翔馬
BUSCA合同会社CEO。FROM ARTIST事業責任者。マーケターとしてキャリアをスタートし、事業会社・広告代理店を経験し独立。カリフォルニア大学バークレー校やロンドンビジネススクールなど複数の大学院・ビジネススクールでマーケティング関連のプログラムを修了。また、マッコーリー大学でMBAコアカリキュラムを、ブリティッシュコロンビア大学で教育におけるアートの重要性も学んでいる。