空想と現実のあいだには、思いのほか広い余白があります。鉛筆の線で描かれた世界が、見慣れた風景のようでいて、どこか現実から半歩ずれている——そんな感覚を味わったことはあるでしょうか。自らを「ノンリアリズム鉛筆画家」と名乗るお心餅は、自作のタロットや鉛筆画を通して、肩の力の抜けた独自の世界を描いてきました。描き手の気負いのなさが、そのまま画面の空気になっているようにも感じられます。今回はその一枚「空想リアル」を手がかりに、静かな遊び心に触れてみます。
作品紹介
見えているものは本物なのか、それとも頭の中にだけ存在するのか。絵の前に立つと、そんな問いがふと浮かぶことがあります。「空想リアル」という題は、二つの相反する言葉を並べることで、その境目をあえて曖昧にしているように映ります。写実を目指すのではなく、心に浮かんだ光景をもっともらしく描き出す。その姿勢は、鉛筆という静かな道具とも相性がよさそうです。
現実に似ているようで、どこにもない風景。眺める時間の長さや、そのときの気分によって、見えてくるものが少しずつ変わっていくのかもしれません。あなたの目には、どんな景色として映るでしょうか。
「空想リアル」は、見る人の記憶や気分を静かに映し返してくれる一枚です。部屋に迎えれば、日々の中でふと視線を預ける場所になるかもしれません。お心餅の作品は、コレクションページでご覧いただけます。タロットやYouTubeでも独自の穏やかな世界を発信しているので、作品の背景に触れながら、ご自身の暮らしに合う一枚を探してみてはいかがでしょうか。