描いて壊し、再生する——hagemaru artが紡ぐ記憶と祈りの軌跡 - FROM ARTIST

描いて壊し、再生する——hagemaru artが紡ぐ記憶と祈りの軌跡

完成した絵を、あえて壊す。白や黒で塗り潰し、擦り、削り取る。その痕跡の中から、新しい像が立ち上がってくる——hagemaru artの制作は、創造と破壊が表裏一体の営みだ。ボールペン、木炭、ソフトパステル、ジェッソ。多彩な素材が層をなし、人物の輪郭は揺らぎ、記憶は滲む。1962年大阪生まれ、約6年で2,300点を超える作品を生み出してきた彼が描くのは、記憶・喪失・祈り・愛という、誰もが抱える感情の深層だ。

記憶の残像

誰にでも、まだ何も失っていなかった時間がある。若さ、憧れ、他者への好奇心。自分自身の輪郭がまだ曖昧で、世界のすべてが眩しかった頃の眼差し。ボールペンの線は柔らかく、パステルの色彩は淡く光を帯びる。ここに並ぶ三つの作品は、記憶がまだ鮮やかだった頃の残像を留めている。

my self

my self

by hagemaru art

若き日の自分を見つめ直す作品。無知だった頃の面影と、時間が重ねた痕跡が層状に描かれています。アクリルとパステルが織りなす質感の中に、記憶の断片が浮かび上がる、静かな自己対話の世界。

サイズ 50×65cm
価格 ¥24,000
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自分自身の姿を見つめた後、今度は他者の瞳に映るものへと視線が移る。

瞳

瞳

by hagemaru art

瞳に映る何かが、観る者の心を揺さぶります。描線の消去と再生を重ねることで生まれた曖昧さ。その奥に潜む感情や真実が、薄紙を通すように浮かんでは消える、儚くも深い表現。

サイズ 25×36cm
価格 ¥22,000
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憧憬の対象は、時に記号的な魅惑として現れる。バニーガールという象徴に託された、ある種の幻想。

バニーガール

バニーガール

by hagemaru art

瞬間的な魅了が、重層的な描写によって永遠へと変わる。あるがままの姿を見つめ、その上に時間の痕跡を重ねることで、一時的な輝きは深い愛情へと昇華します。

サイズ 25×36cm
価格 ¥26,000
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若さと魅惑の記憶は、いつまでも手の中に留めておけるものではない。時間とともに色褪せ、やがて何かが失われていく。

この作品群の見どころ

hagemaru artの作品を見るとき、注目したいのは「破壊と再生」の痕跡です。完成後に白や黒で意図的に壊された面には、描き直された線や消えきらない輪郭が重なり、時間の層が可視化されます。約6年で2,300点超という制作量も、記憶や喪失といったテーマを追い続ける執念の表れ。国内外での展開とともに、作家の内省が具現化した時間軸を読み取ることが、これらの作品の深い価値につながります。

喪失という破壊

愛は消え、時は流れる。hagemaru artの制作プロセスそのものが、喪失を体現している。描き上げた人物を白や黒で塗り潰し、擦り、削る。その行為は破壊であり、同時に新たな生成でもある。残された痕跡の中に浮かび上がるのは、諦念と痛み、そしてかすかな温もりだ。

そして…

そして…

by hagemaru art

愛する人を描きながら、その上に描線を重ね、消す。その行為の中で何かが失われ、何かが生まれ変わる。作家独特の「破壊と再生」の手法が、愛と喪失の複雑な感情を静かに表現しています。

サイズ 25×36cm
価格 ¥19,000
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「そして…」という言葉の後に続くのは、沈黙か、それとも別の形か。花は、喪失の後に咲く。

花

花

by hagemaru art

季節の移ろいを己の人生に映す瞑想的な作品。咲き、そして枯れ、散っていく花の姿は、時間とともに老いていく自分自身の必然を優しく問い掛けます。油彩の温もりが哀愁を深めています。

サイズ 45×53cm
価格 ¥38,000
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壊すことでしか見えない姿がある。失って初めて気づく輪郭がある。この章の二作は、その痛みを静かに語りかけている。

問いかける祈り

失ったものに問いかけるのは、愚かなことかもしれない。けれども人は、語りかけずにはいられない。花に包まれた人物は、もう応えることのない誰かへ、あるいは過去の自分自身へ、静かに問いを投げかけている。それは祈りに似て、諦めにも似ている。破壊と再生を経た画面には、言葉にならない感情が宿る。

花に包まれて

花に包まれて

by hagemaru art

花々に包まれながら、失った誰かに向けて問いを投げ掛ける。愚かさと切実さが同居したこの問い掛けは、喪失と祈りのあわいで揺れ動きます。重ねられた色彩が深い感情層を象徴しています。

サイズ 50×65cm
価格 ¥22,000
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問いに答えは要らない。ただそこに在ること、語りかけ続けることそのものが、祈りなのだから。

破壊の先に立ち現れる像は、決して完璧ではない。けれどもその不完全さの中にこそ、人間の記憶や感情の本質が宿っている。hagemaru artの作品は、パリのsingulart提携作家としても国内外で発表され続けている。壁に掛けたとき、あなた自身の記憶や喪失と静かに共鳴する一枚が、ここにある。

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