展示に作品を出してみたいけど会場の選び方や開催方法、準備の仕方が分からない…!という方はたくさんいると思います。
展示のやり方にもグループ展や企画展、公募展や個展など様々ありますが、今回は個展を開催するときの流れにフォーカスを当ててご紹介していきます!
目次
個展って何?どうやって個展を開くの?
個展を開催する場所の決め方
準備から開催までの流れ
まとめ
個展って何?どうやって個展を開くの?
個展とは、個人で開催をするその人のための展覧会を指します。
個展を開催する方法は様々ありますが、大きく分けると
・貸し画廊やギャラリーなどでスペースをレンタルして個展をする
・ギャラリーなどから直接招待されて開催する
・公募展やコンテストなどの副賞として、ギャラリーや美術館での個展開催権を貰う
というパターンが多いと思います。
今回の記事では、自分でギャラリーをレンタルして開催する場合の流れを解説していきたいと思います!
個展を開催する場所の決め方
個展を開催するといっても、全国各地にギャラリー・貸し画廊があります。
1日から借りられるところもあれば、1週間ごとに展示を企画している場所もありますので、自分のスケジュールと開催場所のスケジュールをすり合わせていかなければならないでしょう。
貸しギャラリーに展示の交渉をする前に、以下の点を決めておくとスムーズにやり取りが行えるかと思います。
①自分の作風・客層に合ったギャラリーをいくつか候補を出す
広義にギャラリーと言っても、当然運営している人は別人なので、ギャラリーによって展示作品の雰囲気や客層なども変わってきます。
抽象画をメインに取り扱っている場所や、若手アーティストをメインに取り扱うギャラリー、動物系の絵やアートをメインに取り扱うギャラリーなど…オーナーさんの好みによっても、展示が可能なギャラリーは変わってくると思います。
また、取り扱っている作品が違えば、客層も変わってきます。
学生や若い人が良く集まるギャラリーや、普段からギャラリー巡りをしている人たちが立ち寄る場所、海外の人が集まりやすいギャラリーなどもありますので、
「自分がどういう作風でどういう人たちに見てもらいたいか」というのを明確にして、ギャラリーを決めるのがいいでしょう。
※連絡するときの注意点
ギャラリーに展示の相談をする際には、一回だけでもいいので現地に赴いて会場の様子などを把握しておくと良いです。
特に作家とのつながりを大事にしているギャラリーも多いので、つながりのない人から急に展示の相談で連絡を取っても「どうしてうちのギャラリーに?」と不審に思われてしまうこともあるかもしれません。
全ての画廊・ギャラリーがそうというわけではありませんが、遠方の場合はSNSなどでギャラリーの様子をチェックする、現地に行ける場合は事前に直接オーナーさんとお話ししてみるのが良いと思います。
②どの時期に、何日間開催するか(候補を2つ~3つくらいは決めておく)
ギャラリーによって、展示できる期間や時期が変わってきます。
GWなどの長期休暇時もオープンしている所もあれば、土日のみのオープンといった運営のギャラリーなどもあります。
また、作家自身が在廊(展示会場にいること、来場者対応などを行うこと)することが条件のギャラリーなどもありますので、なるべく予定を開けられそうな時期をいくつか候補に挙げておいてから探し始めるといいかと思います!
※遅くても開催の半年前にはギャラリーの人と相談しましょう!
ギャラリーによっては1年前の段階で既に展示スケジュールが埋まり始めている場合もあります。作品の制作期間も考えて、早めに相談すると良いと思います。
③開催費用の予算を決める
会場によって、個展開催費用は変わってきます。
短期間・安価で借りられるところもあれば、人通りの多い場所だとそれに比例してレンタル費用もかかる場合もあります。
その他にも、レンタル費用は高くないがマージン(作品が購入された際のギャラリー側へ渡す手数料)が40~50%という場合もあります。
マージンの差し引きを考えて作品を高く設定して安価にギャラリーを借りるのか、レンタル代を出して作品を展示するか…自分の展示方法や制作スタンスによって決めてみるのもアリだと思います!
※会場のレンタル費用以外にも、会期前に頒布するDMやポスターなどの印刷費用、画材代などもかかってくると思うのでなるべくしっかり予算を決めておきましょう!!!
④会場の広さと出したい作品のサイズや点数を照らし合わせる
壁を広く使える会場と、一軒家のようなスペースの限られた場所とでは絵を飾った時の雰囲気も変わってきます。
壁が広く使えるのであれば、大きな作品がないと物足りなく感じてしまう&作品をたくさん用意しないといけなくなりますし、逆に限られたスペースだと大きな作品は圧迫感がある&点数が限られてきます。
ギャラリーとの相性も大事ですが、自分の展示したい作品のサイズとギャラリーのスペースが合うかどうかも念頭に置いておくといいですね。
以上の内容を踏まえて個展の開催場所が決まったら、個展に向けて作品制作・準備をしていきましょう!
準備から開催までの流れ
◎展示開催前にやること◎
①展示のテーマを決める
ここは人によって段階が前後する内容ですが、場所の確保が出来たら、展示する作品のテーマや展示会のタイトルを決めましょう。
自身のこれまでの集大成を出す人もいれば、花や動物、抽象などのテーマに絞って展示に臨む人もいます。
自分が「これなら描ける!」と思えるテーマを決めて制作しましょう!
②DMを制作する
作品制作を進めるのと同時進行で、展示に向けての準備も進めていきます。
個展の開催をいろんな人に知ってもらうために、DMの制作をします!
ギャラリーさんが作ってくれることもあるかもしれませんが、会場をレンタルする場合はたいてい自分で用意することになると思います。
自分で友人や知人に頒布するためにも必要ですが、開催場所のギャラリーで設置してもらったり他ギャラリーに頒布していただいたりもするので、DM内の情報に漏れがないように制作しましょう!
会期の2か月ほど前にはDMの印刷が完了しているとベストです。
③展示会場のレイアウト・配置を決める
展示作品が揃い始める開催1か月ほど前には、展示の配置図を作っておきましょう。
ギャラリーの方から配置図の提出をお願いされる場合があるので必要ということもありますが、
「何処にどの絵を置くと魅力を引き出せるのか」
「展示に最低何点作品が必要なのか」
を考えるためにも作っておいた方が良いでしょう。
また、在廊するために必要な椅子の個数、グッズや名刺・パンフレットなどを置くための台や机を把握するために必要なケースがあります。いずれの場合も配置図を用意しておくに越したことはないので、早めに計画を立てながら制作を進めていきましょう!
④作品の値段の設定、納品書の作成
展示の1~2週間前には、それぞれの作品の値段・納品書の作成をしましょう!自分用にももちろん必要ですが、ギャラリーの方がマージンなどのやりくりをするために必ず必要です。
納品書のテンプレートは自分で作成したりギャラリーから貰ったりとやり方が分かれているので、一度相談をしてから納品書の作成に取り組みましょう。
必須ではないですが、芳名帳も展示会場に置いておくと今後の展示のお知らせなども来場してくれた方へお送りできるので便利かと思います。
◎展示期間中にやること◎
準備と会場の設営さえできれば、期間中は割とそこまでやることは多くないです!
個人的には、会期中は積極的に来場者の方とコミュニケーションを取ることを大事にしています。
直接絵を見てもらう・来場者の様子を見ることができるのが展示を開催する際の一番の魅力だと思いますので、
「どういう経緯で作品を見に来てくれたのか」
「どの作品が印象的だったか」ということを聞きながら、自身の作品について解説をしています(人によっては話しかけられるのが苦手な方もいると思うので、相手の様子を見ながらお話ししてます)。
また、来場者の年齢層や雰囲気を分析して「自分の作品がどういう層に需要があるのか」なども少し分析したり…。
直接話すのが苦手という方は、感想ノートや自身のSNSやサイトなどの表記した名刺等を展示場所に置いておくのも良いかもしれません。
会期が終了したら、速やかに作品を梱包し直して持ち帰る・作品が購入された場合は発送したり、金額の確認や精算を行います。
ギャラリーへのマージンなどがある場合、売り上げから手数料を差し引いてお渡し&領収書などの受け取りを行います。
まとめ
・使用用途や開催期間、予算や生活スタイルを考慮して開催場所を選定する
・ギャラリーや画廊の方に渡すべきもの(レイアウトや開催情報など)は早い段階で決定、情報共有をする
・DMやチラシなどに必要な費用と数量も考慮して展示の計画を立てる
展示開催期間の過ごし方については、作家さんによって変わってくると思いますのでそれぞれに合った過ごし方で展示を楽しんでいただけたらと思います!
いかがでしたか?
絵の制作ももちろん大事ですが、展示では自分以外の人たちにも協力いただく場面が多々出てくると思いますので、計画を立ててスムーズに準備ができると良いと思います◎
展示を開催した経験がない方からは「部屋を借りて展示をするのはなんだか難しそう、ハードルが高く見える」という意見をもらうことが多いのですが、実際に自分で行ってみると全然そんなことはないように感じました。
何より楽しく展示を迎えることが大切だと思いますので、分からないことはすぐに周りの人や詳しい人に相談したり調べたりして展示に対する不安を取り除いていきましょう!
また、約300名のアーティストが登録しているFROM ARTISTでは、定期的にオークションや企画展の開催も行っています。
2023年3月には、株式会社PALLETE様との初の企画展も開催しました!
展示の様子も、朝刊にて掲載していただきました✨
https://from-artist.com/blogs/ニュース/企画展の様子を朝刊に掲載していただきました
HP上でも様々な作品がチェックできますし、日本各地で今後も展示予定ですので、是非公式サイト・SNSをチェックしてみてくださいね♪
↓FROM ARTIST公式サイトはこちら↓
執筆者:フミトリツムギ
FROM ARTIST運営スタッフ。特集記事やコラムを組んだり、アーティスト目線での運営のサポートを行っています。
普段は専門学校で講師を行いつつ、個展や公募展など作家活動に励んでいます。
監修者:戸井田翔馬
BUSCA合同会社CEO。FROM ARTIST事業責任者。マーケターとしてキャリアをスタートし、事業会社・広告代理店を経験し独立。カリフォルニア大学バークレー校やロンドンビジネススクールなど複数の大学院・ビジネススクールでマーケティング関連のプログラムを修了。また、マッコーリー大学でMBAコアカリキュラムを、ブリティッシュコロンビア大学で教育におけるアートの重要性も学んでいる。