コレクション: 流凱 毘辰
茶龍道絵師、兼カイロプラクター(D.C.)である。2021年、濃茶を墨汁に見立て龍神様を描いたことをきっかけに、抹茶を用いて絵を描く独自の技法を確立し、「茶龍道」を創立した。茶龍道のコンセプトは「生きている絵画」である。生ものである抹茶は時とともに色彩が変化し、その諸行無常の移ろいが作品の中に自然観を宿す。完成形は作者自身にも未知であり、所有する者だけがその変化と共に生きる、唯一無二の共同作品である。テーマは「我に還る」。私たちは人生の中でさまざまな価値観や固定観念に縛られ、本来の自分から乖離してしまうことがある。茶龍道の作品は、鑑賞者の心に寄り添い、固定観念を解き放ち、純粋で自由な自分自身を思い出すきっかけとなることを願う。茶の香りや色の変化までもが作品の一部であり、五感を通じた体験を提供する。絵画を所有する者が時とともに感じる変化、それ自体が「今ここを生きる」ことの尊さに気づく旅の始まりである。私の表現は、ただ美を追求するものではなく、見る者、触れる者それぞれの心の奥深くに響き、希望や自信を呼び起こすものでありたいと願う。