生きるために筆を執る。記憶と祈りを紡ぐ制作の原点
今回は現代アーティスト/画家として活動されている「hagemaru art」さんにお話しを伺いました。
インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします!自己紹介と、現在どのような作品を中心に制作されているか教えてください。
hagemaru art:大阪を拠点に活動する現代アーティストのhagemaru artこと織田正信です。
私は障害と向き合いながら、主に「人物」や「顔」を中心とした作品を制作しています。テーマとして掲げているのは「記憶」と「祈り」です。愛する人への深い思いや喪失感、孤独、そして平和への願いを作品の一つひとつの線や色に重ね合わせながら描いています。
これまでに生み出してきた作品は2,000点を超えますが、私にとって描くという行為は、単なる表現を超えて「生きるために不可欠なこと」そのものなのです。

愛する人を失った悲しみと、感情を絵に昇華する衝動
インタビュアー:2000点!まさに生きるために描き続けていらっしゃるのですね!続いて、アートの道を志した原点や、活動を始めたきっかけを教えてください。
hagemaru art:私の制作の原点にあるのは、妻との大切な記憶と、彼女を失った深い悲しみです。
言葉ではとても表現しきれない感情が、少しずつ絵という形になって現れるようになりました。また、自身が持つADHDの「衝動性」や「過集中」といった特性も、私の制作スタイルに強い影響を与えています。
私にとって描くことは、自己表現であると同時に、心を満たし存在を確かめる「生きるための祈り」でもあります。
巧みさよりも「その瞬間の感情」をそのまま画面に残す
インタビュアー:自己表現と祈りの結晶がhagemaru artさんの作品たちなのですね!では、制作する上で、最も大切にしているこだわりやコンセプトは何ですか?
hagemaru art:「きれいに上手に描くこと」よりも、その瞬間に抱いた嘘偽りのない感情を残すことを一番大切にしています。
そのため、描いた後に何度も塗り重ねた跡や、試行錯誤の末についた傷でさえも、すべて作品の大切な一部として受け入れています。難解な理屈や理論にとらわれることなく、ご覧になった方が感覚のまま自由に何かを感じ取っていただけたら、これ以上に嬉しいことはありません。

完成形は決めない。湧き上がる感情のままに走らせる手
インタビュアー:本当に「気持ち」や「思い」を大切にされているのですね!次に、作品のインスピレーションはどのようなところから湧いてくるか教えてください。
hagemaru art:過去の愛おしい記憶やその日に抱いた感情、人との出会いや別れ、ふと感じる孤独や悲しみ、そして平和への祈りなど、すべての日々の営みから生まれます。
あらかじめ「こういう完成形にしよう」と決めることはせず、その時手元にある画材を手にとり、湧き上がる感情の赴くままに作品を描き進めています。
世界へ広がった表現と、表現者としての確かな自信
インタビュアー:制作が日常の一部だと感じますね!続いて、これまでの活動で印象に残っている出来事や、ターニングポイントを教えてください。
hagemaru art:大きな転機となったのは、2019年に開催された「アートポステルズ心斎橋エキシビション」です。新進気鋭の画家約10名が参加する中、最高売上を記録することができました。自分の表現を認め、作品を選んでくださる方がいるのだと実感できたことは、作家としての揺るぎない自信に繋がっています。
その後、2022年にはロンドンのWaterloo駅でのデジタル展示、2024年にはアジアのアートフェアへ出品するなど、活動の幅は世界へと大きく広がっています。
届けるのは「一人じゃない」という希望。ヨーロッパ個展への挑む未来
インタビュアー:本当に精力的に活動されていて素晴らしいです!次に、今後挑戦したいことや、これからの夢を教えてください。
hagemaru art:日本国内にとどまらず、より世界中の方々に作品を見ていただきたいと考えています。特に、ヨーロッパで個展を開催することが大きな目標の一つです。
また、障害や孤独、かけがえのない喪失感を抱えている方々に向けて、作品を通じて「あなたは一人ではない」という温かいメッセージを届けられるような展示空間も実現させたいです。
見た瞬間の感情こそが答え。あなたの記憶と重ね合わせてほしい
インタビュアー:是非実現させてくださいね!最後に、ファンの方やこれから作品に出会う方へメッセージをお願いします。
hagemaru art:私の作品を鑑賞する際、難しく考える必要はまったくありません。
「悲しい」「怖い」「優しい」「温かい」――作品を見た瞬間に心が動いたその感情こそが、あなたにとっての正しい答えです。
私の作品の中に、あなた自身の愛おしい記憶や、大切な人の面影をそっと重ね合わせていただけたなら、とても幸せに思います。

※「hagemaru art」「hagemaru0513」「hagemaru loved」などの名前でも発表しています。