「描く喜び」を、大人になった自分の手で。記憶の深海「失われた帝国ルシェール」を描くアーティストの原点と物語【risa takedaインタビュー】

「描く喜び」を、大人になった自分の手で。記憶の深海「失われた帝国ルシェール」を描くアーティストの原点と物語【risa takedaインタビュー】

砂と蒼が紡ぐ、時を越えた深海の情景

今回は現代アーティストとして活動されている「risa takeda」さんにお話しを伺いました。

インタビュアー:本日はよろしくお願いいたします!自己紹介と、現在どのような作品(活動)を中心に制作されているか教えてください。 

risa takeda:1990年愛知県生まれです。独自に構築した海底世界「失われた帝国ルシェール」を舞台に、人魚の記憶や深海の情景をテーマとしたミクスドメディア作品を制作しています。表現手法として「砂」を用いているのが大きな特徴です。

現在は東京・大阪・名古屋を中心に、ホテルでの展示やアートフェアへの出展など、活動の場を広げています。

幼少期の「金色のシール」が教えてくれた、描くことの原動力

インタビュアー:作品の背景が詳細に設定されているのですね!続いて、アート・ものづくりの道を志した「原点」や、現在の活動を始めた「きっかけ」は何ですか? 

risa takeda:幼少期から絵を描くことが大好きでした。特に印象に残っているのは、小学生の頃の授業です。先生が読み上げる挿絵のない本を聞きながら思い浮かんだ情景を描くという内容で、夢中になって筆を動かしていたら、先生から金のシールをもらえたことがとても嬉しかったのを覚えています。

その時に感じた「描くことの純粋な喜び」は、大人になってからもずっと心に残っていました。「あの頃の自分が抱いていた夢を、自分の手で叶えてあげたい」という強い想いが芽生え、アート活動を本格的にスタートしました。

キャンバスの向こうに広がる、自身が目撃した「かつての世界」

インタビュアー:素敵な体験が原点になったのですね!次に、作品を制作する上で、最も大切にしている「こだわり」や「コンセプト」を教えてください。 

risa takeda:私が描いているのは、単なる想像の世界というよりも、遥か過去に自分自身が訪れ、この目で見た光景を再現しているような感覚です。「失われた帝国ルシェール」も人魚の記憶も、そうした感覚から生まれています。

制作では、砂がもたらす独自の質感と陰影、そこに重ねる繊細な「蒼」を大切にしています。これにより、深海の静寂とそこにかすかに揺らめく光を表現しています。キャンバスの向こう側に、時を越えた幻想的な海の世界を感じていただけたら嬉しいです。

海と映画、静かな水中音がもたらすインスピレーション

インタビュアー:テクスチャーが入ることでグッとリアリティが出てきますよね!では、日々の制作のアイデアやインスピレーションは、どのようなところから湧いてきますか? 

risa takeda:一番のインスピレーション源はやはり「海」です。自宅から車で30分ほどの場所にお気に入りの海があり、貝殻を拾ったり写真を撮ったりする時間が制作の栄養になっています。光を浴びて心が浄化される朝の海も、切なさと明日への希望を感じさせる夕方の海も、それぞれ異なる表情を見せてくれます。

制作中は波の音ではなく、海の中の音(水中音)のような歌詞のない音を流しています。不思議と気持ちが落ち着き、集中して手を動かすことができます。

また、映画からも大きな影響を受けています。『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』からは植物や財宝などの細やかな描写力を、『タイタニック』からは感情を揺さぶる表現を学び、作品に吸収しています。

作品が「届くべき人」へ届いた瞬間。自信に繋がった運命の出逢い

インタビュアー:とてもいい環境で制作されていますね!想像が広がります!続いて、これまでの活動の中で、特に印象に残っている出来事やターニングポイントを教えてください。 

risa takeda:大きな転機となったのは、2025年11月に東京・広尾のギャラリー「THE HARMONYST」で開催されたアートコンペ「canvas call 2025」に選出され、展示を行ったことです。

このとき初めて出品した20号のキャンバス作品が、わずか数日で売約となりました。さらに驚いたのは、購入してくださった方が音楽ホールも経営されている審査員の方だったことです。月をモチーフにした私の作品に「月光」という楽曲の情景を重ね合わせてくださったそうで、実際にピアノ演奏まで聴かせていただくという不思議なご縁に恵まれました。

この経験を通じて「自分の作品は、ちゃんと届くべき人に届く」という強い自信と確信を得ることができました。現在の活動を支える、非常に大切な出来事です。

地に足をつけ、相性の良い人々と確かな関係を育む

インタビュアー:不思議な運命を感じる出会いですね!次に、作家として、今後挑戦してみたいことやこれからの展望(夢)を教えてください。 

risa takeda:まずは国内での活動基盤をしっかりと固めていきたいと考えています。以前パリでの展示を経験した際は自分の力不足を感じることもありましたが、経験を重ねた今なら必要なものは揃っていると実感しています。

無理に規模を広げるのではなく、地に足をつけながら、作品を必要としてくださる方や相性の良い方々と誠実な関係を築いていきたいです。その積み重ねの先に、また自然な形で海外での展示にも再挑戦できたらと思っています。

「好き」という気持ちがあれば、いつからでも形にしていける

インタビュアー:今後が楽しみですね!最後に、ファンの方やこれから作品に出会う方へメッセージをお願いします。 

risa takeda:私自身、美術大学を卒業しているわけでも、まっすぐアート一本の道を歩んできたわけでもありません。会社員を経て、遠回りをしてようやく今の活動にたどり着きました。だからこそ「今からでは遅い」「専門的な道を歩んでこなかったから」と諦めてしまうのは勿体ないと伝えたいです。心が動いた瞬間や「好き」という気持ちは、いつ始めても必ず形にしていけます。

「失われた帝国ルシェール」の物語は、まだ始まったばかりです。この世界がこれからどんな作品に姿を変えていくのか、ぜひ一緒に見届けていただけたら嬉しいです。Instagramでも制作風景などを発信していますので、気軽に覗いてみてくださいね。これからも自分らしいペースで描き続けていきますので、応援していただけたら心強いです。

【お名前(活動名)】
risa takeda
【肩書き・ジャンル】
現代アーティスト
【SNS・WEBサイトのURL】
【FROM ARTISTアーティストページ】
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