登録アーティスト800人超え、作品点数は数千点以上。
様々なアートを見て、手に入れることができるFROM ARTIST。
北から南、現役美大生から受賞歴のあるプロ作家まで場所や環境を問わず様々なアーティストたちが作品を登録・販売を行っています。
「この絵を描くまでに、どのくらいの時間がかかったんだろう?」
「どんな経験を経たら、こんな絵が描けるんだろう。」
制作の秘密や裏側、ちょっと覗いてみませんか?
ABOUT ARTIST TV INTERVIEW「長崎康一」
インタビュアー:皆さん、こんにちは! ABOUT ARTIST TV へようこそ!
ABOUT ARTIST TV は、アートのマーケットプレイス 「FROM ARTIST」 が運営するアートチャンネル です。
すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、FROM ARTIST では、アーティストのルーツや作品への想いを紹介するオリジナルマガジン 『ABOUT ARTIST』 を発行しています。
このアートチャンネルは実際にアーティストをお招きし、作品に込めた想いを直接聞くことができる貴重な機会です。ぜひ最後までお楽しみください。
今回ご紹介している作品はすべて FROM ARTISTで実際に販売中の一点物です。
気になる作品がありましたら、ぜひリンクからご覧ください。
それでは、本日のゲストは第5回 FROM ARTIST展@愛媛の準グランプリ受賞者、長崎康一さんをお迎えします!
長崎康一さん、よろしくお願いします!
長崎:よろしくお願いします。
──自己紹介
インタビュアー:この度はFROM ARTIST企画展、「第5回 FROM ARTIST展@愛媛」にご参加いただきありがとうございました!
来場者投票によるコンテストで、長崎康一さんが見事準グランプリに選ばれました。受賞おめでとうございます!
長崎:ありがとうございます。今回、展示の機会を頂けただけでも十分ありがたいのですが、投票で準グランプリを頂けたということ、非常に光栄に思います。
インタビュアー: 改めて、準グランプリ受賞おめでとうございます。多くの方から支持されたことが納得できる、とても素敵な作品でした。
それではまず、ご覧いただいている皆さまへ自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
長崎:ボールペンで風景画を描いています、長崎康一と申します。
主に人の痕跡であったり、どこか懐かしさを感じる風景を1本のボールペンで描いています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
インタビュアー:長崎さん、本日はよろしくお願いいたします。
作品を拝見していると、一本一本の線から風景への愛情や、その場所で感じられた空気まで伝わってくるようでした。本日は、そんな作品に込められた想いや、ボールペン画だからこそ表現できる魅力、そして制作の裏側について、ぜひお聞かせいただければと思います。
長崎康一について詳しくはこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artist/7d91a68b-367e-482c-927c-26a5a271810d
──作品紹介
『山奥の秘湯』

インタビュアー:それでは早速、栄えある準グランプリを受賞した作品をご覧いただきましょう。ご紹介するのは『山奥の秘湯』です!
では、長崎さん、この作品にはどんな想いやテーマが込められているのでしょうか?
長崎:こちらは自分の体験が元となっておりまして、実際に訪れた温泉旅館をモデルにしています。自然の中に溶け込んでいる姿が美しくて、なんとか絵にできないかと取り組んだ作品です。
インタビュアー: 実際に訪れた場所が作品のモチーフになっているのですね。その温泉旅館とは、どのようなきっかけで出会われたのでしょうか?
長崎:職場の温泉好きの先輩から教えてもらいました。当時、仕事の関係で2、3年周期で引っ越しを伴う転勤があったのですが、休日はそれぞれの地域で出会った風景を絵にするという武者修行みたいなことをしていました。
この時も長野県に3年ほど住んでいたのですが、次の転勤が決まって、せっかく長野県にいるのだから最後に温泉へ行きたい、という気持ちで向かいました。
インタビュアー:長野県での最後の思い出が、この作品の原点になっているのですね。
作品説明にある「本当にあるのだろうかと不安になりながら進む」という一文がとても印象的でした。実際にその場所へ向かわれた時のことを、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?
長崎:ナビの誤作動じゃなかったんだと思いました(笑)道がどんどん細く、地元の方が使われるような道になっていたので、これはだめだと。実は当時、あまり精度のよくないナビを使っていまして。ショッピングモールに行くつもりが、なぜか山奥の野菜直売所に辿り着いたことがあったんですよ。
インタビュアー:そんなエピソードがあったのですね!作品からも「この先に本当にあるのだろうか」という期待と少しの不安がリアルに伝わってきます。
また、作品説明の「モノクロの中に緑を感じてほしい」という表現もとても印象的でした。緑豊かな風景をモノクロで表現するにあたって、線の描き方や濃淡など、特に意識されたことはありますか?
長崎: ボールペンに限らずですが、描き込めば描き込むほど暗くなっていきますよね。
でもちゃんと木に見せるには結構線を重ねないといけなくて。
新緑の明るさをイメージしていたので筆圧を弱め、かつ描き込みすぎないように心掛けました。
インタビュアー:筆圧や描き込みのバランスを工夫することで、新緑の明るさを表現されていたのですね。モノクロだからこそ、線一本一本に込められた繊細な工夫がよく伝わってきます。
一方で、色を使わないからこそ表現できる魅力もあるのではないかと感じたのですが、長崎さんは色を描かないことで、逆に伝えられるものは何だと思われますか?
長崎:色は見てくださった方に想像を委ねるわけですが、人によって感じる色は少しずつ違うと思うんです。
どんな色に補完されるかは正解がなくて、その人のバックボーンであったり感性によるところですよね。
ただ絵を見せて終わりじゃなくて、自由に想像して感じてもらう事で、その人の心の中にある扉を開いてもらう事ができます。
すると不思議なことに、空気感だったり、木が揺れる音だったり、露天風呂から聞こえるお湯の流れる音だったり、直接絵にはできないものを感じ取ってもらえます。
これはモノクロの醍醐味だと思っています。
インタビュアー:見る人それぞれの感性や記憶によって色や音まで想像が広がるというお話、とても印象的です。だからこそ、長崎さんの作品には実際にその場を訪れたような空気感を感じるのですね。
その空気感を生み出すうえで、木々の描写も大きな役割を果たしているように感じますが、木々を描かれる際に、特にこだわっている点はありますか?
長崎:植物に生き生きとした動きが出るように線を引くときのストロークの向きに注意しています。
絵の左側の木は左上から右下へ、右側の木は右上から左下へ線を引いています。
これによって視線が真ん中に向かう構図になっていると思います。
ちなみに左利きなので右上から左下のストロークの方が得意で、それは他の作品にも随所に現れています。

インタビュアー:お話を伺っていると、この作品は一本一本の線を積み重ねながら、少しずつ命を吹き込んでいかれたように感じます。
完成するまでの中で、一番時間をかけた場所や、「ここだけは納得いくまで描こう」と向き合われた部分はどこだったのでしょうか?
長崎:右奥が旅館の入り口なのですが、この入り口周辺は本作の要だと思ったので、特に時間を掛けて描きました。
インタビュアー:作品の要となる場所だからこそ、一筆ずつじっくり向き合われていたのですね。そのお話を伺うと、旅館の入り口へと自然に視線が引き寄せられる理由がよく分かります。
そんな思いを込めて完成された作品の中で、長崎さんご自身が「ここは特に見てほしい」と感じているお気に入りのポイントを教えていただけますか?
長崎:全体に柔らかく描いているところですね。最近の作品だとくっきりと、びっしりと埋める事が多いので。旅館を見つけた自分の安堵感と旅館が優しく迎えてくれている雰囲気もよく現れていると思います。
インタビュアー:お話を伺っていると、この作品は日々の暮らしの中で、ふと心を落ち着かせてくれる存在になりそうですね。
長崎さんがおすすめする飾り方や、お部屋の雰囲気があればぜひ教えてください。
長崎:優しい作品なのでどのお部屋でも合わせやすいと思います。出迎える玄関、楽しい時間を過ごすリビング、くつろぎの寝室、生活に合わせて飾って頂ければと。
インタビュアー:ありがとうございます。作品に込められた想いや制作の裏側を伺ったことで、この作品の魅力をより深く感じることができました。
皆さんも、ご自宅の玄関やリビング、寝室など、お部屋に飾ったときの風景を思い浮かべていただけたのではないでしょうか?
長崎さんの想いが込められ、第5回 FROM ARTIST展@愛媛で準グランプリを受賞した作品『山奥の秘湯』は、FROM ARTISTにて1点限定で販売しております。
ぜひ、お部屋でこの作品ならではの穏やかな空気感や、心安らぐひとときをお楽しみください。
『参道』

『参道』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/sandou
インタビュアー:それでは2作品目をご紹介していきましょう!こちらの作品 『参道』 です!
では、この作品にはどんな想いやテーマが込められているのでしょうか?
長崎: 神社までの道のりは真っ直ぐではなく、橋を渡ったり階段を登ったりが続きます。
目的地までは紆余曲折がある事を描きながら、それでも最後にはゴールがあるんだという想いを込めています。
インタビュアー:一歩進むたびに新しい景色と出会えるような作品ですね。細部まで丁寧に描き込まれているからこそ、見れば見るほど作品の世界へ引き込まれていきます。この風景は、実際の景色をもとに描かれたのでしょうか。それとも、いくつもの記憶や風景を組み合わせて生まれた世界なのでしょうか?
長崎:この風景は空想の世界ですが、神社、滝、橋、民家、樹木、それぞれにモデルがあり、それらを組み合わせて作っています。
インタビュアー:一つひとつに実際のモデルがあり、それらを組み合わせることで、現実にはない新しい風景が生まれているのですね。そのお話を伺って、長崎さんの頭の中にはまだ私たちが見たことのない景色がたくさん広がっているのではないかと感じました。そうした風景は普段から心の中に思い描かれているのでしょうか?それとも、描き進める中で少しずつ形になっていくのでしょうか?
長崎:普段から気に入った風景を写真に納めていまして、集めたそれらを画像加工アプリで組み合わせて、絵にしたい風景のイメージを作っています。頭の中の風景を一旦イメージ画像に落とし込んだのち、そこから絵にしています。
インタビュアー:一枚の作品が生まれるまでに、風景を集め、イメージを膨らませ、少しずつ形にしていく…。まるで作品と一緒に旅をされているようですね。そんな『参道』は、完成までにどれくらいの時間をかけられたのでしょうか?
長崎:約3ヶ月です。
インタビュアー:約3か月もの間、一つの作品と向き合い続けられたのですね。その時間の長さを伺うだけでも、一枚一枚に込められた想いの深さが伝わってきます。制作中は、集中力を保つために意識されていることはありますか?
長崎:ありますね。集中が切れてしまうので、一回あたり20分程の制作にとどめています。
インタビュアー:その20分に作品への想いをぎゅっと込められているのですね。
一本一本の線を大切にされている長崎さんですが、使用されるボールペンにも何かこだわりがあるのでしょうか?
長崎:1種類のペンで描いています。
あと意外に思われる事が多いのですが、インクが長持ちするのでボールペン1本で3作品ほど描けます。
インタビュアー:作品を拝見したときから細密さに驚いていましたが、それが一本のボールペンだけで描かれていると伺い、さらに驚きました。
作品全体を通して、長崎さんが一番思いを込められた場所や、ぜひ注目してほしいポイントはどこでしょうか?
長崎:それぞれの素材の描き分けですね。ぜひ細部までご覧頂けたらと思います。

インタビュアー:細部まで見れば見るほど、それぞれの素材の違いだけでなく、風景全体の奥行きや空気感にも引き込まれます。まるで自分も神社へ向かって歩いているような感覚になりますが、この高低差のある風景を表現するうえで、特に苦労されたことや、こだわられた点を教えていただけますか?
長崎:ちゃんと高いところに建物があるように見えるように描くのは難しかったですね。
インタビュアー:その一言を伺うだけでも、理想の景色に近づけるために何度も向き合われた様子が伝わってきます。制作を進める中で、構図や配置を大きく変更されたことはありましたか?
長崎:ありましたね。
制作前に作品のイメージを作っていますが、描きながら作品はどんどん変化していっています。
軌道修正を経て、最も自分が描きたい姿に仕上げる事ができたと思っています。
インタビュアー:試行錯誤を重ねながら、少しずつ理想の風景へと近づけていかれたのですね。その過程にも、この作品への強い想いが感じられます。
制作の時間の中で、「この瞬間は特に楽しかった」と感じられた場面や、夢中になって描かれた場所はどこだったのでしょうか?
長崎:滝の横を通る橋を描いていた時は、絵の中を散策しているような気持ちで作業をしていまして、それが楽しかったですね。
インタビュアー:絵を描きながら、ご自身もその風景を歩いているような気持ちになられていたのですね。そのお話を伺うと、この作品がより温かく、生き生きと感じられます。
そんな『参道』ですが、長崎さんご自身は、どのようなお部屋に飾って楽しんでいただくのがおすすめだとお考えですか?
長崎: リビングに飾って頂けると、生活を楽しく彩ってくれると思います。
インタビュアー:ありがとうございます。制作に込められた想いや、一つひとつの線に込められた工夫を伺ったことで、この作品の見え方が大きく変わりました。ご覧いただいている皆さんも、ご自宅のリビングで、この風景の中をゆっくり散策するような時間を過ごしてみたくなったのではないでしょうか?
『参道』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/sandou
『避暑地』

『避暑地』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/hisyochi
インタビュアー:それでは3作品目をご紹介していきましょう!こちらの作品 『避暑地』 です!
では、この作品にはどんな想いやテーマが込められているのでしょうか?
長崎:見たときに、日常を離れて穏やかな気持ちになれるような絵を制作したいと思って取り組んだ作品です。私生活ではなかなか旅行に行けないので、旅への憧れなんかも含まれていますね。
インタビュアー:一目見た瞬間に、時間がゆっくり流れているような感覚になりました。実際に訪れた場所なのでしょうか?
長崎:モデルにした民家、池、滝はそれぞれ別の場所にあったもので、自分が出かけたときに見つけビビッときた風景たちです。この作品の中で初めて共演しています。
インタビュアー:住宅と滝、それぞれが主役になりそうなモチーフなのに、どちらも自然に調和していて、とても心地よい風景だと感じました。この絶妙なバランスは、構図を考える段階から意識されていたのでしょうか?
長崎:ありがとうございます。
そうですね。
見つけた風景を組み合わせてイメージを作るときに、自然との調和を意識しています。
自然に溶け込むような風景を描きたいという想いが、風景を組み合わせる際に接着剤のように働いているのだと思います。
インタビュアー:自然との調和を大切にされているからこそ、この作品全体から穏やかな空気が伝わってくるのですね。眺めていると、「何も起きていない時間」そのものが、とても贅沢に感じられました。そんな静かな世界観の中で、水の流れを表現するうえで特に意識されたことは何だったのでしょうか?
長崎:なるべく澄んだ水になるよう意識しています。あとはそれをいかに線で表現するか、ですね。
インタビュアー:水の透明感が本当に美しくて、思わず水面をのぞき込みたくなりました。作品の手前にあるのは池なのでしょうか?滝の流れと穏やかな水面では、線の描き方にも違いを持たせていらっしゃるのでしょうか?
長崎:はい、手前は池です。
滝壺から地下で繋がっているという設定ですね。
滝はうねる縦の線で落ちていく表現を、池は穏やかに真横の線で統一させることで滑らかな流れの表現を狙っています。
インタビュアー:お話を伺うほど、こちらの作品には目に見えない物語が息づいていることを感じます。
長崎さんの中では一日のどの時間帯を思い浮かべながら制作されたのでしょうか?
長崎:時間は特に意識していないので、想像して頂ければと思います。
インタビュアー:見る人それぞれが、自分だけの時間や情景を重ねられる作品なのですね。そのお話を伺っていると、今度は音まで想像したくなりました。長崎さんの中では、この場所ではどんな音が聞こえてくるイメージなのでしょうか?
長崎:奥の滝の音を感じて頂けると嬉しいですね。
インタビュアー:滝の音や静かな空気まで想像が広がる、とても奥行きのある作品ですね。初めてご覧になる方に、「ここにぜひ注目しながら楽しんでほしい」と思われる見どころがあれば教えてください。
長崎:池の中の鯉ですね。
元々のイメージの中では考えていなかったのですが、制作の中で登場させました。
結構気に入っています。

インタビュアー:作品が完成へ向かう中で、新しいアイデアが自然と生まれてくるのも長崎さんならではの制作スタイルなのですね。細密画だからこそ集中力も欠かせないと思いますが、制作中はどのように気持ちを整えながら描かれているのでしょうか?
長崎:一回あたりの制作時間を短くして、集中力を保つようにしています。調子が良くないときに無理して描き進めないことも心掛けていますね。
インタビュアー:一筆一筆を大切に積み重ねながら完成した作品だからこそ、その瞬間の喜びも大きかったのではないでしょうか。『避暑地』が完成したときは、どのようなお気持ちでしたか?
長崎:今まで描いてきた中でも特に達成感がありましたね。訪れてみたい風景を自由に描く事ができたことは大きな自信にもなりました。
インタビュアー:長崎さんの想いがたくさん詰まった作品だからこそ、毎日の暮らしの中でもゆっくり眺めたくなる一枚です。長崎さんご自身は、この作品をどのようなお部屋に飾っていただくのがおすすめでしょうか?
長崎:おすすめは寝室ですね。落ち着いて眠れると思います。
インタビュアー:ありがとうございます。長崎さんのお話を伺ったことで、この作品には風景だけでなく、水の音や空気、そして穏やかな時間まで描かれていることを知ることができました。寝室で一日の終わりに眺めれば、心を穏やかに整えてくれる、そんな存在になってくれそうですね。
『避暑地』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/hisyochi
『午後のひととき』

『午後のひととき』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/gogonohitotoki
インタビュアー:それでは4作品目をご紹介していきましょう!こちらの作品 『午後のひととき』 です!
では、この作品にはどんな想いやテーマが込められているのでしょうか?
長崎: こちらには、作品を眺めている間は穏やかな時間を感じてもらいたいなという想いが込められています。
インタビュアー:とても穏やかな空気感が伝わってきて、思わずゆっくり眺めたくなる作品ですね。また改めて、ボールペンだけでここまで豊かな表現ができることに驚きました。本作品を制作する中で、ボールペン画ならではの魅力や、難しいと感じられた点はありましたか?
長崎:ありがとうございます。『ボールペンを使って線で描くとはこういうことですよ』を形にしたような作品ですね。
作品の大半を占める木の表現が1番難しく、線を何層も重ねて少しずつ形にしていきました。
とても地道な作業で、これ完成するのかな…と思っていました。
インタビュアー:地道な積み重ねの先に、この優しい空気感が生まれているのですね。見ているだけで心が落ち着き、ゆっくり深呼吸したくなるような作品だと感じました。「リラックスした時間」を表現するうえで、一番大切にされたことを教えていただけますか?
長崎:カフェをモデルにしているので、木だけではなくて、入りたくなるお店にしたかったんです。
木の表現を張り切りすぎると廃墟になってしまうので(笑)
そう言った意味で全体のバランスは特に意識しましたね。
インタビュアー:「入りたくなるお店」を目指されたというお話を伺って、とても納得しました。作品を見ていると、思わず扉を開けて中へ入ってみたくなります。もし実際にこの場所へ足を運んだとしたら、どんな音が聞こえてきそうでしょうか?
長崎:風に木が揺れる音、もしかしたら店内のコーヒーカップを置く音や楽しそうに話す声も聞こえてくるかもしれないですね。
インタビュアー:長崎さんご自身が、この作品の中で「ここは特に線の重ね方にこだわった」と感じている場所があれば、ぜひ教えてください。
長崎:中央に葉っぱの中に枝が透けている箇所があるのですが、線を重ねつつもここは枝が見えるようにと、こだわった部分です。
インタビュアー:ボールペン画は描き直しができないからこそ、一筆に込める集中力や緊張感も大きいのではないかと思います。長崎さんにとって、その緊張感はボールペン画ならではの魅力でもあるのでしょうか?
長崎:それは間違いないと思います。
やり直しのきかない分、持っているものを1本1本の線に込めて必死で描きますので。
「あえて描きにくいボールペンを使ってこんなに描けるんですよ」ではなくて、「ボールペンだからこそここまで風景の魅力を惹き出せるんですよ」と言える作家でありたいです。
それと、軌道修正をしたくなった時にどう切り抜けるかの駆け引きとギリギリのワクワク感は、スリルがありますね。
インタビュアー:ボールペンを「難しい道具」としてではなく、「風景の魅力を引き出すための道具」と捉えられていること、とても素敵ですね。そんな長崎さんの想いが特に表れている部分があれば、ぜひ教えていただけますか?
長崎:ポイントは門が開いているところです。
営業中なので当たり前といえはそうなのですが、
この絵を見る人に『いらっしゃいませ、どうぞお入りください』のメッセージを含んでいます。

インタビュアー:門が開いていることで、「この場所でゆっくり過ごしてほしい」という長崎さんの優しさが伝わってきます。そんな想いを込めながら制作された中で、「この瞬間は特に忘れられない」と感じている工程や出来事はありましたか?
長崎:柵と木の組み合わせは描いていてとても気持ちがよかったです。
木がドーン!となっている絵の上半分と、細かな下半分とのメリハリを生む効果を発揮してくれました。
インタビュアー:柵と木の組み合わせによって、作品全体のリズムや奥行きが生まれているのですね。
季節や時間帯によって作品の印象が変わることも、意識されていたのでしょうか?
長崎:これは意識していなかったのですが、自身も描くうちに見え方の変化を感じるようになりました。
元々は華やかな初夏の風景でしたが、秋に見ると落ち着いた雰囲気に感じられます。
モノクロならではの良さかもしれませんね。
インタビュアー:モノクロだからこそ、見る人それぞれが季節や時間、空気まで自由に思い描けるのですね。長崎さんの作品を拝見していると、まさに「完成した風景」というより、「見る人の想像によって広がっていく風景」だと感じました。そうした「想像の余白」は、制作の際にも大切にされているのでしょうか?
長崎:はい、そうですね。
元々、モノクロで描くということは、見る人に色を補完してもらうということなので、常に意識はしています。
人によって感じる風景はそれぞれ違いますので、自由に想像していただけたらと思います。
インタビュアー:長崎さんご自身は、この作品をどのような空間に飾ると、より魅力を感じていただけると思われますか?
長崎:カフェの絵なので、リビングでコーヒーなどを飲みながら眺めてもらえるといいかもしれませんね。
インタビュアー:ご覧いただいている皆さんも、お話を聞きながら作品の中に入り込みたくなったのではないでしょうか。門の向こうへ足を運び、ゆったりと流れる時間を感じながら過ごす、そんな情景が自然と浮かんできます。
『午後のひととき』の詳細はこちら ▶︎ https://app.from-artist.com/artwork/gogonohitotoki
──最後に
インタビュアー:本日は長崎康一さんの素敵な作品をたくさんご紹介しました!
皆さん、お気に入りの作品は見つかりましたか?
最後に長崎康一さんに今後の活動についてや、本日ご覧いただいている皆さんにメッセージをいただければと思います。
長崎:今後も自由に想像してもらえる作品を制作していきたいと思っています。
特に今後は作品の中の物語性を大事にしたいと思っています。
今は、草木に覆われた廃ショッピングモールの中の風景を描いています。
「怖い」とか「霊が出そう」ではなくて、人の痕跡が残りつつも自然がそれを飲み込んでいくような穏やかで少し切ない、そんな風景です。
進捗はXで紹介していますし、完成しましたらFROM ARTIST様でもご紹介できればと思っています。
この度は貴重な機会を頂きまして、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します!
インタビュアー:ありがとうございました。長崎さんの作品に込められた想いや、ボールペン画だからこそ表現できる魅力について、たくさんお話を伺うことができました。これから制作される新しい作品も、とても楽しみにしております。
それでは皆さま、また次回お会いしましょう!本日はありがとうございました。
長崎康一について詳しくはこちら ▶︎
Xアカウント:https://x.com/Nchanpon
FROM ARTISTアーティストページ:https://app.from-artist.com/artist/7d91a68b-367e-482c-927c-26a5a271810d
第5回 FROM ARTIST展@愛媛|コンテスト、投票結果発表 ▶︎ https://app.from-artist.com/article/ニュース__コンテスト-投票結果発表-第5回-from-artist展-愛媛
