キリコってどんな画家?代表作品や展示美術館もあわせて詳しく解説! - FROM ARTIST

キリコってどんな画家?代表作品や展示美術館もあわせて詳しく解説!

 

 

20世紀を代表する画家、ジョルジョ・デ・キリコ。彼の独特な画風と不思議な雰囲気を持つ作品は、多くの人々を魅了し続けています。今回は、キリコの生涯、代表作品、そして彼の作品を展示している美術館について詳しく解説します。

 

 

目次

キリコについて

代表作品

展示美術館

まとめ

 

 

キリコについて

ジョルジョ・デ・キリコは、20世紀を代表する画家の一人として広く知られています。1888年7月10日、当時ギリシャ領だったヴォロスに生まれました。両親はイタリア人で、父親は鉄道技師として働いていました。幼少期をギリシャで過ごしたキリコは、その後イタリアに移住し、そこで本格的な美術教育を受けることになります。

キリコの芸術的才能は早くから顕著でした。10代の頃からアテネ工科大学で絵画を学び始め、その後ミュンヘンのアカデミーで学びを深めました。この時期に、ドイツの象徴主義や形而上学的な思想に触れ、後の彼の独特な画風の基礎が形成されたと言えるでしょう。

1911年、キリコはパリに移り住みます。ここで彼は、当時の前衛的な芸術家たちと交流を持ち、自身の芸術観をさらに発展させていきました。パリ時代に制作された作品群は、後に「形而上絵画」と呼ばれる彼の代表的なスタイルの確立につながっています。

キリコの画風の特徴は、現実離れした風景や不思議な雰囲気の静物画にあります。彼の作品には、古代ギリシャの建築物や彫刻、そして近代都市の孤独感が色濃く表れています。広場に立つマネキンや遠近法を無視したような空間構成、長い影や鮮やかな色彩の対比など、キリコ独自の世界観を形成する要素が随所に見られます。

興味深いのは、キリコの芸術的立場の変遷です。若い頃はシュルレアリスムの先駆者として活躍し、アンドレ・ブルトンをはじめとするシュルレアリストたちに多大な影響を与えました。しかし、後年になるとシュルレアリスム運動を批判するようになり、より古典的な技法や主題に回帰していきます。この変化は、芸術家としての信念を貫き、自身の表現を追求し続けたキリコの姿勢を表しています。

キリコの人物像についても触れておきましょう。彼は真面目で内向的な性格だったと言われています。自身の芸術に対する強い信念を持ち、時には周囲の批判にも屈せず、独自の表現を追求し続けました。この姿勢が、彼の独特な世界観を持つ作品の創造につながったと考えられます。また、キリコは画家としてだけでなく、詩人としての一面も持っていました。絵画以外にも文学作品を残しており、これは彼の多才な才能の表れと言えるでしょう。

キリコの芸術的影響力は、彼の生涯を通じて、そして死後も続いています。彼の作品は、現代アートの発展に大きな足跡を残し、多くの後続の芸術家たちにインスピレーションを与え続けています。例えば、ルネ・マグリットやサルバドール・ダリといったシュルレアリストたちはキリコの作品から多大な影響を受けたことを認めています。

また、キリコの影響は美術の枠を超えて、文学や映画にも及んでいます。例えば、小説家のハルキ・ムラカミは、キリコの絵画から着想を得た作品を書いています。映画監督のミケランジェロ・アントニオーニも、その映像美の中にキリコの影響を見ることができます。

キリコは1978年11月20日、90歳でローマにて生涯を閉じるまで、精力的に制作活動を続けました。晩年になっても、彼の創造力は衰えることなく、新たな作品を生み出し続けました。彼の遺した作品群は、現在も世界中の美術館やギャラリーで展示され、多くの人々を魅了し続けています。

ジョルジョ・デ・キリコの生涯と作品は、20世紀美術史において極めて重要な位置を占めています。彼の独特な視点と表現は、現代においても多くの芸術家や鑑賞者に影響を与え、新たな解釈や研究の対象となっています。キリコの芸術は、私たちに現実と夢の境界線上にある不思議な世界を示し、見る者の想像力を刺激し続けているのです。

次にキリコの代表作品についてお話しします。

 

 

代表作品

 

愛の歌

「愛の歌」(1914年作)は、キリコの代表作の一つで、彼の形而上絵画の特徴を如実に表しています。この作品には、キリコ特有の不思議な雰囲気と象徴的な要素が詰め込まれています。

画面中央には、大きな石膏の頭部が描かれています。これはギリシャ神話のアポロンを表しているとされ、キリコの古典への敬意を示しています。頭部の前には、赤い手袋と緑のボールが置かれており、これらの日用品が神話的な像と対比されることで現実と非現実の境界を曖昧にしています。

背景には、典型的なキリコの風景が広がっています。遠近法を無視したような建築物、長い影、そして空虚な広場。これらの要素が組み合わさり、夢のような、しかし不安を感じさせる空間を作り出しています。

色彩も重要な役割を果たしています。暖かい黄色や茶色の色調が支配的で、夕暮れ時の光を思わせますが、同時に不自然な静寂感も醸し出しています。

「愛の歌」というタイトルは、作品の雰囲気と一見矛盾しているように見えます。しかし、これこそがキリコの狙いであり、観る者に疑問を投げかけ、想像力を刺激する効果があります。

この作品は、キリコの芸術の本質を凝縮したものと言えるでしょう。現実と夢の境界、古典と現代の融合、そして見る者の心に不思議な感覚を呼び起こす力。これらすべてが「愛の歌」という一枚の絵画の中に詰め込まれているのです。

 

Mystery and Melancholy of a Street

「Mystery and Melancholy of a Street」(1914年作)は、キリコの代表作の一つで、彼の形而上絵画の特徴を鮮明に表現しています。

画面の中央には、長い影を引く少女のシルエットが描かれています。少女は輪を転がしているように見えますが、その姿は不気味さと孤独感を漂わせています。背景には典型的なキリコの都市風景が広がっています。遠近法を歪めた建築物、空虚な広場、そして不自然に長い影が現実離れした雰囲気を醸し出しています。

画面右側には、開いたアーチ型の建物が描かれており、その中から強い光が差し込んでいます。この光は謎めいた雰囲気をさらに強調し、観る者に不安と好奇心を同時に抱かせます。

色彩も重要な役割を果たしています。暖かい黄色や茶色の色調が支配的で、夕暮れ時の光を思わせますが、同時に不自然な静寂感も醸し出しています。空には暗雲が垂れ込め、全体的に不穏な雰囲気を強調しています。

この作品のタイトル「Mystery and Melancholy of a Street」(街路の神秘と憂鬱)は、絵画の雰囲気を的確に表現しています。観る者は、この不思議な街路で何が起ころうとしているのか、少女はどこへ向かっているのか、といった疑問を抱きます。

「Mystery and Melancholy of a Street」は、キリコの芸術の本質を凝縮したものと言えるでしょう。現実と夢の境界、日常的な風景の中に潜む不気味さ、そして見る者の心に不思議な感覚を呼び起こす力。これらすべてがこの一枚の絵画の中に詰め込まれており、シュルレアリスムの先駆けとしてのキリコの地位を確立した重要な作品の一つとなっています。

 

不安を与えるミューズたち

「不安を与えるミューズたち」(1918年作)は、キリコの代表作の一つで、彼の形而上絵画の特徴を鮮明に表現しています。

画面中央には、三体の不思議な人形のような像が描かれています。これらの像は、古典的な彫刻を思わせる姿勢をとっていますが、その表情や体の一部が欠けているなど、不自然さが際立っています。これらの像は芸術のインスピレーションを象徴する「ミューズ」を表現していると考えられていますが、同時に不安や違和感を観る者に与えます。

背景には、キリコ特有の静謐な都市風景が広がっています。遠近法を無視したような建築物、長い影、そして空虚な広場。これらの要素が組み合わさり、夢のような、しかし不安を感じさせる空間を作り出しています。

色彩も重要な役割を果たしています。暖かい黄色や茶色の色調が支配的で、夕暮れ時の光を思わせますが、同時に不自然な静寂感も醸し出しています。空には暗雲が垂れ込め、全体的に不穏な雰囲気を強調しています。

この作品のタイトル「不安を与えるミューズたち」は、作品の本質を的確に表現しています。芸術の源泉であるはずのミューズが、むしろ不安や違和感を与える存在として描かれることでキリコは芸術創造の過程に内在する不安や矛盾を表現しているのです。

「不安を与えるミューズたち」は、キリコの芸術哲学を凝縮した作品と言えるでしょう。現実と非現実の境界、古典と現代の融合、そして見る者の心に不思議な感覚を呼び起こす力。これらすべてがこの一枚の絵画の中に詰め込まれており、シュルレアリスムの先駆けとしてのキリコの地位を確立した重要な作品の一つとなっています。

 

The Red Tower

「The Red Tower」(赤い塔)は、1913年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された作品で、彼の形而上絵画の代表作の一つです。

画面中央には、鮮やかな赤色の塔が描かれています。この塔は周囲の建物や風景と比べて不自然に大きく、観る者の目を引きつけます。塔の形状は単純化されており、窓や装飾はほとんどありません。

背景には、キリコ特有の静謐な都市風景が広がっています。遠近法を無視したような建築物、長い影、そして空虚な広場が描かれています。これらの要素が組み合わさり、夢のような、しかし不安を感じさせる空間を作り出しています。

色彩も重要な役割を果たしています。赤い塔の鮮やかさが際立つ一方で、背景は暖かい黄色や茶色の色調が支配的です。この色彩のコントラストが、作品全体に緊張感をもたらしています。

「The Red Tower」は、現実と非現実の境界、日常的な風景の中に潜む不気味さ、そして見る者の心に不思議な感覚を呼び起こす力を持っています。この作品は、キリコの芸術哲学を凝縮したものであり、シュルレアリスムの先駆けとしての彼の地位を確立した重要な作品の一つとなっています。

 

Gare Montparnasse (The Melancholy of Departure)

「Gare Montparnasse (The Melancholy of Departure)」(モンパルナス駅(出発の憂鬱))は、1914年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された作品で、彼の形而上絵画を代表する重要な作品の一つです。

画面中央には、モンパルナス駅を思わせる建築物が描かれています。しかし、この建物は現実の駅というよりも、夢の中の風景のように不自然で歪んでいます。遠近法は意図的に崩され、建物の影は不自然に長く伸びています。

バナナの房と時計が描かれていますが、これらの要素は日常的なものでありながら、この非現実的な風景の中に置かれることで、不思議な緊張感を生み出しています。時計は、出発や別れの時間を象徴しているようでもあり、「出発の憂鬱」というサブタイトルと呼応しています。

色彩は、キリコの他の作品同様、暖かい黄色や茶色の色調が支配的です。しかし、空には暗雲が垂れ込め、全体的に憂鬱な雰囲気を醸し出しています。

この作品は、旅立ちや別れに伴う感情、時間の流れ、そして日常の中に潜む不思議さを表現しています。現実と非現実の境界を曖昧にし、見る者の心に不安と好奇心を同時に呼び起こすキリコの芸術性が遺憾なく発揮された作品と言えるでしょう。

 

The Enigma of an Autumn Afternoon

「The Enigma of an Autumn Afternoon」(秋の午後の謎)は、1910年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された作品で、彼の形而上絵画の最初期の重要な作品の一つです。

画面には、イタリアの典型的な広場の風景が描かれています。中央には大きな彫像が配置され、背景には教会のような建物が見えます。しかし、この風景は現実のものというよりも、夢の中の光景のように不自然で静謐な雰囲気を醸し出しています。

色彩は、暖かい黄色や茶色の色調が支配的で、秋の午後の光を思わせます。しかし、同時に不自然な静寂感も強調されています。空には雲一つなく、建物や彫像の影は長く伸び、時が止まったかのような印象を与えます。

この作品の特徴は、日常的な風景を非現実的な雰囲気で描き出している点にあります。見慣れた風景が不思議な謎めいた空間として再構築され、観る者に違和感と同時に好奇心を抱かせます。

「The Enigma of an Autumn Afternoon」は、キリコの芸術哲学の原点とも言える作品です。現実と非現実の境界、日常的な風景の中に潜む不思議さ、そして見る者の心に謎めいた感覚を呼び起こす力。これらの要素がこの一枚の絵画の中に凝縮されており、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた重要な作品となっています。

 

Ariadne

「Ariadne」(アリアドネ)は、ジョルジョ・デ・キリコが1913年に制作した代表作の一つです。この作品は、ギリシャ神話に登場するアリアドネをモチーフにしていますが、キリコ特有の形而上的な解釈が加えられています。

画面中央には、横たわる彫像が描かれています。これがアリアドネを表しています。彫像は古典的な様式で描かれていますが、その周囲の風景は現実離れした不思議な空間となっています。

背景には、キリコの作品によく見られる要素が配置されています。長い影を落とす建築物、空虚な広場、そして遠くに見える列車や船。これらの要素が組み合わさり、夢のような、しかし不安を感じさせる雰囲気を醸し出しています。

色彩は暖かい黄色や茶色の色調が支配的で、夕暮れ時の光を思わせます。しかし、同時に不自然な静寂感も強調されています。

「Ariadne」は、古典と現代、現実と非現実の融合を表現しています。神話の人物を現代的な都市風景の中に置くことで、時間の概念を超越し、見る者に深い思索を促します。この作品は、キリコの芸術哲学を凝縮したものであり、後のシュルレアリスムに大きな影響を与えた重要な作品の一つとなっています。

 

ある一日の謎

「ある一日の謎」(The Enigma of a Day)は、1914年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された作品で、彼の形而上絵画を代表する重要な作品の一つです。

画面には、典型的なキリコの風景が描かれています。中央には大きな時計塔が配置され、その周りには古典的な建築物や彫像が点在しています。

色彩は、キリコの他の作品同様、暖かい黄色や茶色の色調が支配的です。長く伸びた影は、時間の停止を示唆しているようです。空は澄んでいますが、どこか不安を感じさせる雰囲気があります。

この作品の特徴は、日常的な要素(時計、建物、列車)を非現実的な構図で配置している点にあります。時計は大きく中心に描かれていますが、その針は見えません。これは時間の概念に対する疑問を投げかけているようです。

「ある一日の謎」は、現実と夢の境界、時間の流れ、そして日常の中に潜む不思議さを表現しています。見る者に深い思索を促し、現実認識に対する新たな視点を提供する、キリコの芸術哲学が凝縮された作品と言えるでしょう。

 

時間の謎

「時間の謎」(The Enigma of Time)は、1911年にジョルジョ・デ・キリコによって制作された作品で彼の形而上絵画の初期の重要な作品の一つです。

画面には、キリコの特徴的な要素が多く含まれています。中央には大きな時計塔が描かれ、その周りには古典的な建築物や彫像が配置されています。

色彩は、キリコの他の作品同様、暖かい黄色や茶色の色調が支配的です。長く伸びた影は、時間の停止を示唆しているようです。空は澄んでいますが、どこか不安を感じさせる雰囲気があります。

この作品の特徴は、時間という抽象的な概念を視覚的に表現している点にあります。中心に描かれた時計は、時間の流れを象徴していますが、その周りの静止した風景とは対照的です。これは、時間の相対性や人間の時間認識に対する疑問を投げかけているように見えます。

「時間の謎」は、現実と非現実の境界、時間の流れ、そして日常の中に潜む不思議さを表現しています。見る者に時間の本質について深い思索を促し、現実認識に対する新たな視点を提供する、キリコの芸術哲学が凝縮された作品と言えるでしょう。

 

Great Metaphysical Interior

「Great Metaphysical Interior」(大いなる形而上学的内部)は、ジョルジョ・デ・キリコが1917年に制作した作品です。この絵画は、キリコの形而上絵画の特徴を強く示しており、彼の芸術的発展において重要な位置を占めています。

画面には、室内空間が描かれています。しかし、これは通常の室内とは全く異なる、不思議で謎めいた空間です。部屋の中には幾何学的な形態や建築的要素、そして日常的な物体が配置されていますが、それらは現実離れした方法で組み合わされています。

色彩は、キリコの他の作品同様、暖かい色調が支配的ですが、同時に不自然な光と影のコントラストが強調されています。これにより、現実と非現実の境界が曖昧になり、夢のような雰囲気が醸し出されています。

この作品の特徴は、内部空間を通じて外部世界や宇宙的な要素を暗示している点にあります。室内にありながら、どこか無限の広がりを感じさせる構図は観る者の想像力を刺激し、現実認識に対する新たな視点を提供します。

「Great Metaphysical Interior」は、キリコの形而上絵画の本質を凝縮した作品と言えます。日常的な要素を非日常的な文脈に置くことで、現実の奥に潜む謎や不思議さを表現し、見る者に深い思索を促します。この作品は、後のシュルレアリスムにも大きな影響を与え、20世紀美術史における重要な位置を占めています

 

王の凶悪な天才

「王の凶悪な天才」(The Evil Genius of a King)は、ジョルジョ・デ・キリコが1914年に制作した作品です。この絵画は、キリコの形而上絵画の特徴を強く示しており、彼の独特な芸術スタイルを象徴しています。

画面には、キリコの典型的な要素が描かれており、幾何学的な形態や建築的要素が不思議な配置で組み合わされています。背景には遠近法を無視したような建物や空間が広がっています。

色彩は、キリコの他の作品同様、暖かい黄色や茶色の色調が支配的ですが、同時に不自然な光と影のコントラストが強調されています。これにより、現実離れした雰囲気が醸し出されています。

「王の凶悪な天才」は、キリコの形而上絵画の特徴を凝縮した作品と言えます。現実と非現実の境界を曖昧にし、見る者に深い思索を促します。この作品は、権力、天才性、そして悪の概念について、観る者に新たな視点を提供し、20世紀美術史において重要な位置を占めています。

 

 

展示美術館

キリコの作品は、世界中の著名な美術館で鑑賞することができます。彼の独特な芸術スタイルと形而上絵画の魅力を直接体験できる場所を、以下にいくつか詳しく紹介いたします。

まず、イタリアのローマにある「国立近代美術館」(Galleria Nazionale d'Arte Moderna)は、キリコの代表作を多数所蔵しています。この美術館は19世紀から現代までのイタリア美術を中心に展示していますが、キリコのセクションは特に充実しています。彼の初期の作品から晩年の作品まで、芸術的発展を辿ることができる貴重な場所です。美術館の広々とした空間の中でキリコの大型の絵画を堪能することができるでしょう。

次に、アメリカのニューヨークにある「メトロポリタン美術館」(The Metropolitan Museum of Art)も、キリコの作品を展示しています。この世界的に有名な美術館では、古代から現代までの幅広い時代と地域の芸術作品を見ることができます。キリコの作品は、20世紀美術のセクションに展示されており、同時代の他の芸術家たちの作品と比較しながら鑑賞することができます。メトロポリタン美術館の豊富なコレクションの中で、キリコの作品がどのように位置づけられているかを理解する良い機会となるでしょう。

フランスのパリにある「オランジュリー美術館」(Musée de l'Orangerie)は、印象派の作品で有名ですが、キリコの作品も所蔵しています。モネの大作「睡蓮」で知られるこの美術館では、20世紀初頭の前衛的な芸術家たちの作品も展示されています。キリコの作品は、この文脈の中で鑑賞することができ、彼の芸術が同時代の芸術動向とどのように関連し、また異なっていたかを理解する上で非常に興味深い場所です。パリの芸術的雰囲気の中で、キリコの独特な世界観を体験することができるでしょう。

日本では、東京の「国立西洋美術館」が時折キリコの作品を展示しています。この美術館は、主にヨーロッパの近現代美術を中心に収集・展示していますが、キリコの作品も所蔵しています。常設展示ではないため、キリコの作品を見たい場合は、特別展や企画展の情報を事前に確認することをお勧めします。日本にいながらにして、キリコの芸術に触れることができる貴重な機会を提供しています。

イタリアのフェラーラにある「パラッツォ・デイ・ディアマンティ」(Palazzo dei Diamanti)は、定期的にキリコの特別展を開催しています。この美術館は、ルネサンス時代の建築物の中に設置されており、その独特な外観と内部の展示空間がキリコの作品の雰囲気と不思議なほど調和しています。ここでは、キリコの作品を集中的に鑑賞することができ、彼の芸術の深さと広がりを十分に理解することができるでしょう。また、キリコの出身国イタリアの文化的背景を感じながら作品を鑑賞できる点も、この美術館の魅力の一つです。

最後に、ギリシャのアテネにある「ギリシャ国立美術館」(National Gallery of Greece)も、キリコの作品をいくつか所蔵しています。キリコはギリシャで生まれ、幼少期を過ごしたため、この美術館での展示は特別な意味を持ちます。ここでは、キリコの芸術とギリシャの文化や風土との関連性を考察することができ、彼の芸術の源泉を探る上で重要な場所となっています。

これらの美術館を訪れることで、キリコの芸術をより深く、多角的に理解することができるでしょう。各美術館の特徴的な展示方法や、周囲の作品との関連性を観察することで、キリコの芸術がいかに独特で革新的であったかを実感することができます。また、これらの美術館は単にキリコの作品を展示しているだけでなく、彼の芸術思想や哲学的背景についても詳しい解説を提供していることが多いです。そのため、作品の鑑賞だけでなく、キリコの芸術に対する理解を深める貴重な学習の場としても機能しています。

キリコの作品を通じて、20世紀美術の変遷や、現代美術への影響を考察することもできるでしょう。彼の形而上絵画が後のシュルレアリスムにどのような影響を与えたのか、また現代の芸術家たちにどのようなインスピレーションを与え続けているのかを、これらの美術館での体験を通じて探ることができます。

美術館訪問の際は、可能であれば事前にガイドツアーや音声ガイドの利用を検討することをお勧めします。専門家による解説を聞くことで、キリコの作品に対する理解がさらに深まり、新たな視点を得ることができるでしょう。また、多くの美術館では定期的に講演会やワークショップなども開催されているので、これらに参加することで、キリコの芸術についてより専門的な知識を得ることもできます。

キリコの芸術は、見る者に深い思索を促し、現実認識に対する新たな視点を提供します。これらの美術館を訪れ、実際に作品に触れることで、キリコが創造した不思議で魅力的な世界を体験し、芸術の持つ力を直接感じ取ることができるでしょう。芸術鑑賞は単なる視覚的な体験ではなく、心と思考を刺激する知的な冒険です。キリコの作品を通じて、あなた自身の内なる世界も豊かに広がっていくことでしょう。

 

 

まとめ

以上、ジョルジョ・デ・キリコについて、その生涯、代表作品、そして作品を鑑賞できる主要な美術館をご紹介しました。キリコの独特な画風と深遠な芸術世界は、今なお多くの人々を魅了し続けています。彼の作品は、現実と夢の境界を曖昧にし、見る者の想像力を刺激します。機会があれば、ぜひ実際に美術館でキリコの作品に触れ、その不思議な魅力を体感してみてください。芸術は私たちの日常に新たな視点をもたらし、人生をより豊かにしてくれるものです。キリコの芸術世界への旅が、皆さまにとって心に残る素晴らしい経験となりますように。

 

 

日本全国約600名のアーティストが登録するFROM ARTISTでは、Webサイトからたくさんの作品をご覧いただけます。絵画の販売もおこなっているので、家に飾ると美術館のようにお楽しみいただけます。

もっと詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

  

 

是非 FROM ARTIST 公式ラインも友達追加の程宜しくお願い致します。

ご購入を希望の方はこちら ▶︎ https://line.me/ti/p/%40517rkxah

アーティストの方はこちら ▶︎ https://line.me/ti/p/%40433xxkes

  

筆者紹介

 

執筆者:Shiori

FROM ARTIST運営スタッフ。特集記事やコラムを組んだり、アーティスト目線での運営のサポートを行っています。

監修者:戸井田翔馬

BUSCA合同会社CEO。FROM ARTIST事業責任者。マーケターとしてキャリアをスタートし、事業会社・広告代理店を経験し独立。カリフォルニア大学バークレー校やロンドンビジネススクールなど複数の大学院・ビジネススクールでマーケティング関連のプログラムを修了。また、マッコーリー大学でMBAコアカリキュラムを、ブリティッシュコロンビア大学で教育におけるアートの重要性も学んでいる。

 

#fromartist #フロムアーティスト

 

#美術館 #美術館巡り #美術館デート #美術館好きな人と繋がりたい #美術好きな人と繋がりたい #アート巡り #絵画鑑賞 #アート鑑賞 #美術鑑賞 #museum #展覧会 #展覧会巡り #ひとり美術館 #ミュージアム #ミュージアム巡り #アートイベント #アート #芸術 #美大生 #個展 #絵画のある暮らし#アートのある暮らし #アートポスター #アート好きな人と繋がりたい #アートギャラリー #絵のある暮らし #アートコレクター #コレクター

Back to blog