触れたくなる表面の物語――テクスチャーアートの魅力を6作品で味わう - FROM ARTIST

触れたくなる表面の物語――テクスチャーアートの魅力を6作品で味わう

絵画というと、色や形に目が向きがちです。けれど、絵具が厚く盛られた跡や、砂や布を重ねたざらつき、削り取られた線の深さなど、表面の質感そのものが作品の主役になることがあります。それがテクスチャーアートです。写真や画面越しでは伝わりにくい部分ですが、光の当たり方や見る位置によって、陰影が静かに移ろいます。この特集では、異なる素材と手法による6点を通して、質感が生み出す表情の幅を見ていきます。専門的な知識がなくても、気に入った表面を探すつもりでお楽しみください。

冬へとつづく森

冬へとつづく森

by vie fleur

針葉樹が静かに立ち並ぶ冬の森。ひんやりとした空気と季節の移ろいを、アクリルとモデリングペーストの重ねで表現した立体的な風景です。どこか懐かしく、深まる冬への静寂が心に響きます。

サイズ 10×15cm
価格 ¥4,500
作品を見る

ここまでは絵具の厚みを見てきましたが、絵具に頼らずに表面をつくることはできるのでしょうか。素材そのものを主役に据えた一点です。

エナジーアート 原画

エナジーアート 原画

by Kazuma Watanabe

厚塗りの油彩が織り成す、鮮やかで立体的なテクスチャー。色彩が力強くぶつかり合い、内側から溢れ出す衝動や感情が凝縮された抽象表現。触覚をも刺激する、生命力あふれる一枚です。

サイズ 45×38cm
価格 ¥21,000
作品を見る

盛り上げる表現があれば、削ることで生まれる表現もあります。足し算から引き算へ視点を移すと、同じ質感でも印象が大きく変わります。

BLOCK (heart)

BLOCK (heart)

by 一時的

ブロックを通じて、型にはまらない愛のかたちを表現した作品。偶然生まれるテクスチャーと色彩を丁寧に積み重ねることで、自由で温かみのある世界が広がります。

サイズ 20.3×20.3cm
価格 ¥9,800
作品を見る

先の作品の荒々しい凹凸と並べると、この一点の細やかな表面は、まるで静かな対話の相手のように見えてきます。

明治柄とニャンコ

明治柄とニャンコ

by マダラキキョウジ

明治の古典的な図柄とニャンコが出会い、ミクストメディアの手法で新しい表情を獲得した作品。懐かしさと遊び心が層をなし、親しみやすくも奥深い世界観が広がります。

サイズ 30×30cm
価格 ¥66,000
作品を見る

ざらりとした手触りの余韻が残るうちに、少し違う光を受ける作品へ目を移してみましょう。陰影の出方が、また変わります。

天界-Anius-

天界-Anius-

by あきらそみや

天界という高遠な世界をイメージした、版画とミクストメディアが融合した作品。天の光と神秘的な雰囲気が、精密でありながら柔らかな表現で、見る者を別世界へ導きます。

サイズ 45.5×53cm
価格 ¥50,000
作品を見る

触れられない作品から、私たちは何を感じ取っているのでしょう。最後の一点は、その問いに静かなヒントをくれます。

明日は、来る。

明日は、来る。

by risa takeda

夕陽が海を黄金に染める瞬間を、筆と指で丹寧に描いた風景。白砂のテクスチャーが、一日の終わりの静けさとあたたかさ、そして優しい寂しさを立体的に表現しています。

サイズ 65.2×45.5cm
価格 ¥150,000
作品を見る

6点を見比べると、質感は単なる装飾ではなく、作者の手の動きや素材との向き合い方を伝える言葉のようなものだと感じられます。お部屋に迎えるなら、壁への光の入り方や、毎日目にする距離を想像してみると、選ぶ手がかりになります。可能であれば実物の前に立ち、少し角度を変えて眺めてみてください。写真では見えなかった凹凸や陰影が、その作品との相性を教えてくれるかもしれません。

Back to blog