言葉にできない感情は、どこへ行くのだろう。岡部稜大は、そうした想いを子どもの姿に託し、キャンバスの上でひとつひとつ丁寧に形にしている。彼らは泣いているわけでも笑っているわけでもなく、ただ静かにそこに在る。作家自身が抱えてきた感情の揺らぎや重さを、できる限り美しく整えてあげたいという願いが、画面全体に柔らかく行き渡っている。今回ご紹介する二作品は、いずれも感情が固まり、輪郭を持ってしまった瞬間を捉えたものだ。
作品紹介
感情は、いつどのようにして輪郭を持つのだろう。溢れそうなものが堰き止められ、内側で静かに形を成していく。「沈黙の輪郭」と「冷えて固まる」という二つのタイトルが示すのは、まさにそうした感情の状態変化だ。言葉を失ったまま凍りつく心と、それでもなお美しくあろうとする子どもたちの姿が、ここには並んでいる。
では、この沈黙がさらに冷え、動けなくなるとき、画面にはどんな風景が現れるのか。
沈黙も凍結も、決して終わりではない。それは感情がひとつの形を得た、ただそれだけの瞬間なのかもしれない。
感情に形を与え、それを美しく描くこと。岡部稜大の作品は、自分の内側にある言葉にならないものと、そっと向き合う時間をくれる。部屋に飾れば、忙しない日常の中でふと立ち止まり、静かに呼吸を整える場所になるだろう。気になる作品があれば、ぜひ手元で対話を続けてほしい。