渋滞の先で待つ世界観 ― 毒犬くん。の作品をゆっくり味わう特集 - FROM ARTIST

渋滞の先で待つ世界観 ― 毒犬くん。の作品をゆっくり味わう特集

毒犬くん。のプロフィールには、「構築中。」という言葉と、高速道路で渋滞に巻き込まれているという少し変わった近況が綴られています。安全運転のため出品が遅れているというユーモアのある一文からは、急がず自分の歩幅で世界をつくっていく姿勢がうかがえます。この特集では、そうして届けられた5点の作品を順に見ていきます。美術の知識がなくても大丈夫です。気になる色や形、どこか引っかかる表情など、ご自身の感覚を手がかりに、ゆったりとご覧ください。部屋に迎えたらどんな時間が流れるかも、想像してみてください。

『カタツムリお化けのお姫様。』

『カタツムリお化けのお姫様。』

by 毒犬くん。

ペンで丁寧に描かれたおとぎ話の世界。社会に適応できず妖怪となったカタツムリお化けのお姫様が、静かに、そしてマイペースに存在する。にじみやインクの揺らぎまで含めた、素朴で温かみのある一枚。

サイズ 14.8×10cm
価格 ¥6,000
作品を見る

最初の一点から、どんな空気を感じ取りましたか。そのまま視線を移して、同じ作家が手がけた別の景色と見比べてみましょう。

「苺病。って、病気になった。みたいで、」

「苺病。って、病気になった。みたいで、」

by 毒犬くん。

天使と悪魔の狭間で発症するという架空の病、苺病。現像されたやさしい色合いの写真に、成人への通過儀礼という神話的な物語が重ねられた、夢見がちで幻想的な作品。

サイズ 12.7×8.9cm
価格 ¥7,000
作品を見る

ひとつ前の作品との違いに、目が向くかもしれません。似ている部分と離れている部分、その両方に作家らしさが滲んでいるようです。

「苺病。って病気になった。みたいで、悪魔になるかもしれない。」

「苺病。って病気になった。みたいで、悪魔になるかもしれない。」

by 毒犬くん。

苺病によって悪魔へと変わるかもしれない瞬間を捉えた小ぶりな写真。神聖さと堕落の分岐点に立つ物語が、素朴で不思議な雰囲気の中で静かに息づいている。

サイズ 8.8×6.3cm
価格 ¥3,000
作品を見る

ここまでの作品と並べてみると、見えてくる共通点があるかもしれません。色づかい、余白、モチーフなど、小さな重なりを探してみてください。

『カタツムリお化けのお姫様。』

『カタツムリお化けのお姫様。』

by 毒犬くん。

ペンの線で紡ぎ出されたおとぎ話。世間とのズレを受け入れてしまった人間が妖怪となり、カタツムリお化けのお姫様として生きる。素朴で愛らしい表現の中に、静かな諦観と優雅さがある。

サイズ 12.7×8.9cm
価格 ¥2,000
作品を見る

ここまでの作品の余韻が残るうちに、もう一点だけ。急がない旅の終わりに、ふと足を止めたくなる出会いがあるかもしれません。

「苺病。って病気になった。みたいで、天使になるかもしれない。」

「苺病。って病気になった。みたいで、天使になるかもしれない。」

by 毒犬くん。

天使へ変わるかもしれない苺病という、神話的で切実な病を写した四角い小さな写真。成長の喜びと神聖さが淡い色合いで静かに輝く、夢物語の一場面。

サイズ 8×8cm
価格 ¥3,000
作品を見る

渋滞の先にどんな風景が待っているのかは、作家本人のペースとともに、これから少しずつ明らかになっていくのでしょう。今回ご紹介した5点は、その途中経過を知る手がかりです。気に入った作品があれば、しばらく眺めてみたり、飾る場所を思い浮かべたりしてみてください。新しい作品が加わったときに、今日の印象と見比べるのも楽しみ方のひとつです。毒犬くん。の次の出品を、のんびり待ちたいと思います。

Back to blog