観察と内省──山根ゆうが描く日常の断片と抽象の境界 - FROM ARTIST

観察と内省──山根ゆうが描く日常の断片と抽象の境界

絵を描くという営みは、ときに観察であり、ときに内省でもある。山根ゆうの作品群を眺めていると、その二つの軸が静かに交差する瞬間に立ち会う。電車のなかで目にした乗客の横顔、窓外に流れる街の輪郭──それらを手早く写し取ったスケッチと、具象の枠組みを離れて色彩と形態そのものが呼応し合う抽象画。どちらも「描く」行為から生まれたものでありながら、そこに宿る時間の質は対照的だ。

車窓から捉える日常の断片

揺れる車両のなかで、視線の先には見知らぬ誰かがいる。疲れた表情、うつむいた姿勢、窓の外を眺める横顔。それらは一瞬で過ぎ去り、記憶にも残らない。けれど山根ゆうの手は、その一瞬を逃さない。スケッチブックに落とされた線は、移動する時間のなかで捉えられた断片そのものだ。日付がタイトルとして付された一連の作品は、いつ、どこで描かれたかを静かに示している。

20231209

20231209

by 山根ゆう

電車という日常の風景のなかで出会った瞬間を、素朴なスケッチに留めた一枚。乗客の佇まいや車窓の流れ、その時々の息づかいが紙に刻まれています。時間とともに変わっていく情景を観察する、画家の穏やかなまなざしが感じられます。

サイズ 15.5×17.7cm
価格 ¥12,000
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別の日、別の車両。けれど視線が向かう先は、やはり人の姿だ。

20241018

20241018

by 山根ゆう

電車のなかで出会った人々のうごきや表情を、さらりと描き留めたスケッチ。流動する時間のなかで何気なく目に映った瞬間が、静寂のなかにそっと息づいています。日常を見つめる作家の優しい眼差しが伝わります。

サイズ 15.5×17.7cm
価格 ¥12,000
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季節が変わり、車窓の景色も移ろう。それでも作家の手は、同じように動き続ける。

20241114

20241114

by 山根ゆう

移動空間のなかで生まれたスケッチは、行き交う人々の一瞬の姿を柔らかく捉えています。刻々と変わる風景のなか、ページに留められた線や形たちが、時間の流れと人間らしさをそっと物語ります。

サイズ 15.5×17.7cm
価格 ¥12,000
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ある日の光景が、また別の日の記憶と重なり合う。

20241130

20241130

by 山根ゆう

電車内という限定的な空間での発見を、繊細なタッチで表現した作品。日々の通勤や移動のなかで見出される小さな美しさや人間模様が、すっと描かれています。観察者としての画家の在り方が感じられます。

サイズ 15.5×17.7cm
価格 ¥12,000
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そして冬のある日、捉えられたのは──

20230210

20230210

by 山根ゆう

電車という誰もが知る日常空間を題材に、そこに生きる人々の気配を淡く描いたスケッチ。時が流れるなかで何度も目にする光景ながら、改めて見つめると初めて気づく表情や動きがあります。その発見の喜びが込められています。

サイズ 15.5×17.7cm
価格 ¥12,000
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移動という行為が生む偶然の出会いと、それを留めようとする手の速さ。日付だけが記された作品群は、日常の記録であると同時に、観察者としての作家の眼差しを物語る。

この作品群の見どころ

山根ゆうの作品は、インスタレーションから絵画へと表現方法を変えてきた軌跡そのものが価値を持ちます。空間的思考で培われた構成感覚が、平面作品にどう投影されているか。気ままに描かれた筆の跡から、既存のジャンル枠を超えた創作姿勢が浮かび上がります。

内側から立ち上がる色と形

具体的な何かを描くのではなく、色と形そのものが呼吸する画面。ここには観察の対象がない。代わりに立ち上がるのは、作家自身の内側から湧き出る感覚だ。かつてインスタレーションや立体作品を手がけてきた山根ゆうにとって、空間を構成する行為と平面上で色を置く行為は、どこかで地続きなのかもしれない。抽象表現は、外側を見つめる眼差しとは異なる時間のなかで、静かに結晶する。

20250130

20250130

by 山根ゆう

色と形が自由に呼応する抽象の世界。具体的なかたちを超えて、心のうちに生まれた印象や感覚を画面に映し出しています。インスタレーションや立体制作の経験から培われた、空間を意識した構成が響き渡る作品です。

サイズ 22.5×36cm
価格 ¥40,000
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観察から解放されたとき、手は何を描くのか。その問いへの応答が、この一枚には宿っている。

観察から始まり、やがて内側へと向かう眼差し。山根ゆうの作品は、その往還を繰り返すことで豊かさを増していく。電車のスケッチに感じる親しみと、抽象画が呼び起こす静謐な問い。どちらか一方だけでは見えてこない、作家の手の記憶と思考の軌跡が、ここにはある。気ままに描くという自由さのなかにこそ、表現の核心が宿っているのかもしれない。

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